私は、定年後に働く意味は、生活費を補うことはもちろんですが、それだけではないと思っています。

仕事を続けることは、生活に張りをもたらします。
特に運動習慣のない方にとっては、通勤や仕事中に歩くことが自然と運動の代わりになります。意識しなくても体を動かさざるを得ない環境に身を置くことは、大きな意味があります。

さらに、社会の一員として働くことで、人と話し、自分が社会の中で役割を持っていることを実感できます。これはお金には換えられない価値です。

年齢を重ねるほど、意識して体を動かさなければ、体力は確実に衰えていきます。若い頃は「運動不足」など意識しなくても生活の中で自然に動いていましたが、年を重ねるとそうはいきません。

体を動かすことを止めないことが大切です。

アンチエイジングという言葉がありますが、老化は基本的に一方通行です。若返ることはありません。できるのは、坂道を少しゆるやかにすることだけです。そのために必要なのは、激しい運動ではなく、関節を動かし続けること。日々の小さな動きを止めないことです。

無理は禁物です。
素早く動く仕事や重いものを持つ仕事ではなく、少しずつ体を使う仕事を選ぶのがよいでしょう。

これまでの職場で働き続けるのか、新しい仕事を探すのかは人それぞれです。ただ、長く働くためには、人間関係が極端に複雑な職場は避けたほうがよいと思います。そして、どの職場でも人の陰口を言わないこと。当たり前のことですが、それが思わぬトラブルにつながり、働き続けられなくなる原因になることがあります。

定年後の仕事をハローワークで探すと、「清掃」の求人が多く、事務職は少ないのが現実です。また、事務の仕事を希望するなら、パソコン操作は必須です。

一方で、清掃の仕事は体をよく動かします。これまで事務職中心だった方でも、年齢を重ねたからこそ、体を動かす仕事が適した選択になる場合もあるでしょう。

定年後の仕事は、収入源であると同時に、健康維持の手段でもあり、社会とのつながりを保つ場所でもあります。

「いくら稼ぐか」だけでなく、「どう歳を重ねたいか」という視点で、働き方を選びたいものです。