ついに葬儀当日になってしまった……


朝から祭壇を確認する……化粧で血色よく、可愛いお顔、小さく可愛い手。

好きなめいぐるみに囲まれて安らかな表情。

今日でお別れの可愛いお顔……


左右にある棚にアルバム、写真立て、絵本、お菓子をセッティング。

まだ数週間前まで確かにそこに存在した娘の軌跡。

お出かけ、お散歩、保育園、部屋で遊んでいる時、寝てる時。色々な写真を飾った。

飾っている時から涙が出る……

思ってはいけない……なんでうちの娘が…………

よりよってなんでうちの娘なの?…………


何度も思う。現実は変わらない。分かっているけど、おはようって起きるんじゃないか……って思ってしまう自分がいる。

今日を迎えるに至って色々な覚悟をしてきたのに………

その覚悟が挫けそう…………


それでも時間は徐々に迫ってくる。

9時30分からの葬儀……親族のみにしたけど皆様とお坊さんのお出迎えをしなくては。葬儀場の人とも打ち合わせの再確認。


なんだかんだで忙しく、すぐに時間になる。

式は滞りなくすすんだ。

娘の棺はお花で1杯になった……

花の布団で寝ているよう……「花、花」って嬉しそうな娘を思い出す。道端の花であんな喜んだんだからこんな大きな花だったらどれだけ喜んだんだろうか?

見せてあげたかったな~これだけあれば豪華な花輪も作ってあげられそうだよ……


そのたくさんの花に包まれて最期のお別れ。棺桶の蓋が閉まる……ごめんね……最後は悲しすぎてパパは顔がしっかり見られなかったよ…………本当は抱きしめてあげたかったんだけどそれは出来なかったから……


火葬場で最後のお別れ

この期に及んで行かないでって思った。もっと近くにいて欲しい。もっと一緒にいたい……火葬場の扉が閉まるまで涙が止まらなかった。

娘を蝕んだラブドイド腫瘍、こんな物が無ければ娘はまだ元気に生活してたはずなのに……憎いラブドイド腫瘍も一緒に燃えてしまえ。娘は一方的に負けた訳じゃないんだ……


火葬時間は約1時間。

その間は親族の対応やら軽食の用意やら式場での支払いやらで忙しく、時間はあっという間に流れていく。


一段落したら放送が入る、娘の火葬が終わった連絡。

妻と2人で名前を確認しに行く……

火葬場から出てきた娘……これだけ?これしか残らないの?

これが率直な感想…………初めは全身の骨格が何となくわかる状態で出てくると思っていた。

棺桶が置いてあった場所には少しの骨……

妻も同じ思いだったのか、これだけしか……って呟いた。

夫婦で涙が出る……可愛かった娘、ぷくぷくだった娘の面影はもう写真だけ……娘の肉体はなくなってしまった。

その後皆で骨壷に入れる。子供だからか?少なく薄い骨……出来れば見たくなかったけど妻と骨を箸で掴む。

大きな骨壷に娘の骨が入る。

これが多分娘の姿を目にする最後……骨壷に入ったらなかなか開けることはないだろう……


最後は娘に感謝した。

私たちの元に生まれてきてくれて、幸せをたくさんくれて、心配もあったけどたくさんの思い出、愛をくれて……ありがとう…………またね。また会おうね。


これにて娘の葬儀は終わりました。

娘が亡くなって9日、葬儀の準備やらで忙しくすぎた日々。何となく夫婦で泣く日々。やる気が湧かなくなり目の前のことだけをやる日々。

長いようで短く、短いようで長かった。

曜日感覚も分からなくなってるけどこれで1つの区切りが終わりました。

悲しみは多分しばらく続くし、悲しみから抜け出せるかって言われたら多分難しいって答えると思う。


それでも……仕事もしなきゃ行けないし…………ずっと何もしない訳にもいかない。

1歩踏み出すのは難しいけど。少しは前に向かわねば。49日までは娘はそばに居てくれるらしい。

娘と妻と3人4脚でしばらく頑張ろう。

49日より後のことは今後また……