ビートルズの

♬ Across the Universe で迎えた

台風の朝

電車が止まらないか

川の氾濫で行く手を遮られないか

周りの心配をよそに

良いとも悪いとも言わずに

「行ってきます」と娘は出勤していった

昨日と同じように淡々として

 

完全復職から2カ月が経ち

どうにかこうにか

娘も私たちも無事に過ごしている

4月に統合失調症と

主治医から病名が伝えられたが

娘曰く

 そんなに酷くはないと思うよ

 統合失調症でも私は軽い方かな

なのだそうだ

娘よりも早く

この病気になってしまった友人と比べると

自分は仕事にも行けてるし

生活も落ち着いているから…らしいが

 

一番悪い時と比べると

こちらが燻製にされそうな位の

香木のお焚き上げや

自分が決めた方角へのお供え物

外に向かって何かを叫んだり

庭を何時間もぐるぐる歩くという状態は

確かに今は治まっている

でも完全に治ったということではなくて

 

食事の時は自分の前方に

小さなお皿に少しだけ取り分けた

見えない誰かの食事が並ぶし

信じられない位ハサミできれいに開封した

ティーバッグの空袋や

(ティーバッグはハサミが無くても手で開けられる)

食品の入っていたビニール袋に

素敵な色柄のこれも食品が入っていた小箱など

それらを整然と律儀にきれいに並べ

そしてそのまま捨てずに食卓の3分の2を独占して

見えない誰かと食事をしていたり

 

2階の自部屋に戻れば

一人笑いの声が階下にも聞こえるのに

私たちとは話さないなど

 

病気の前にはなくて

病気の今はある

おかしなところは

相変わらずだが

 

問題を起こさず仕事へ行き

対外的な社会生活は

おかしいながらもなんとか送れていそうなので

こちらももうそれでいいや と

いう気になってきている

要は会社や世間様が無理と思わずに

今の娘を受け入れてくれて

そこにいることを許してもらえるなら

娘はこのまま今の生活を続けていける

だからあまりおかしなことは

他所では我慢してね

家では良いけど。

つまり、コントロールしながら

社会に参加していこう

それが出来るか出来ないのかが

娘の人生の分かれ目 なのかな

 

 

♬ Nothing's  gonna  change  my  world

  Nothing's  gonna  change  my  world

  Nothing's  gonna  change  my  world

  …

 

ビートルズのこの歌が言わんとするところに

重なるかどうかわからないけど

それもこれも全部

インナーワールドということなのかな

対外的にうまくやる心の中には

誰も侵すことが出来ない

果てしない自分だけの宇宙が広がる

そこには自分と

自分が許したすべてが

存在していて

魂の調和を図っているのだと

 

病気の前には無くて

病気の今はある

娘のおかしなところは

 

そういうことなのかも知れないな