前回の続きです。

歯医者通いや転院が当たり前になってきたとき、一番私が嫌だったことは転院の度に一から全てを説明しなくてはいけないこと。説明したいけど、先生はみんな忙しそうで最後まで話を聞いてくれないこと、ここが痛い、ここも、ここかも!と色んな歯が痛い気がするのにそれを伝えると、次から次へとだね。一本ずつね。とか言われてしまったり、歯を叩いても痛みが分からないから、家で痛い時にどの歯が痛いか押してみてと言われて、試したけれど、押して叩いても痛くない。なんというか、歯の中の方が痛いという感じ。とか、そんなことを長々と説明すると呆れられてしまうこと。だって、痛いんだからしょうがないじゃん。こっちは数ヶ月も痛みと毎日戦ってるんだし、何とか治したくて藁にもすがるような思いで来てるんだから。
そして先生もあの手この手と試すも、私が毎回痛みが変わらないと言うものだから、どんどんやる気がなくなってきているのが分かって、申し訳ない気持ち半分、だって治らないだよ!という気持ち半分で毎日今日こそは原因が分かりますようにと諦めずに通った。

原因不明の歯の激痛が始まってから約5ヶ月、その間に口腔外科にも通ったが原因不明だった。ただ、今治療途中の歯があちこちにあるからそれが全部痛むだけだと思うよ。と言われてしまった。

そして、、、4軒目の歯医者に転院。
それが転機だった!

そこの歯医者もいつも通り諦め半分で行き、先生に現状を伝えた。
すると、今までの歯医者とは違う反応が返って来た。
「この本貸してあげるから読んでみて。多分、症状を聞く限りこの病気だと思います。この本の著書の先生と知り合いなので、必要であれば紹介状を書きます。ちょうど近くの病院にいる専門医の先生です。」
その本のタイトルは「顔面神経痛を治す。」というものだった。
歯医者の先生はその後、私の顎を触診し「顎関節症や顎の筋肉もそこまで張っていないし、異常はなさそうですね。病院に予約が取れるまでの間は歯医者でも出来る限りのフォローや処方をしますので安心して下さいね。」と言ってくれた。

その先生の治療方針は
神経を抜いている歯に限っては必ず麻酔をして痛みが少しもないように治療する。他の新しい歯は虫歯があったとしても今は削らないし、何もいじらない。
カロナールという痛み止めを出すから、痛い痛くないに関わらず、毎日朝昼晩と飲んで下さい。
というものだった。

半信半疑のまま本を読み、痛みに耐えながら痛み止めを飲み、病院の予約が取れた日まで1ヶ月耐えた。
そして紹介状を持っていざ口腔外科にいる顔面神経痛の専門医のもとへ。

始めに問診票を書かされる。どこが痛いのか丸をつけ、どんな痛みの種類なのか、どのくらいの間痛みが続くのか、想像できる最悪の痛みと比べて、どの程度の痛みなのか、その痛みはいつから始まったのかなどを記入し名前を呼ばれ診察へ。

先生は女の先生で、今までの歯医者での治療の流れをことかまかく聞かれた。どの歯を一番最初に治療したのか、他にも、小さい頃に虐待はあったか、ストレスを感じることはあるか、など歯には関係のなさそうなことなども色々と。

そしていよいよ私の歯痛に病名がついた。
それは「非定型歯痛」というものだった。

この病気は、なぜ起こるのかが未だに詳しくは解明されておらず、治療法も確立されていない。
しかし、非定型歯痛になる患者は揃いに揃って「歯医者に行った」ことがきっかけで歯痛が始まっていることは分かっているらしい。

そしてこの病気の特徴は
歯の痛みに流動性があるということ。
右の歯が痛かったり、左の歯が痛かったり、本人がこの歯がいたいのかも?と思う意識に連動して、日や時間帯によって痛む歯が変わる。
それと、噛んでも痛くないということ。

はっきり言ってどんな病気なの?って簡単に説明すると
脳の痛みを司る部分が痛みに敏感になってしまい、小さな痛みでも大きく感じたり、歯自体に問題があるのではなく、脳の混乱で歯が痛いと認識してしまう。ということ。
そして、歯をいじればいじるほど、痛みの刺激が脳にこびりついてしまい、どんどん痛い歯が増えていくし、痛みの強さもひどくなっていく。つまり歯医者が頑張って治そうと思い、治療すればするほど痛みはひどくなるということ。
噛んでも痛くないというのは、歯自体が悪いわけではなく、痛がっているのは脳なので実際に食べ物を噛んでも痛くないということ。むしろ噛んでいる間は痛みが和らぐ。

つづく→