一方、米「財政の崖」問題の動向が気がかりとされ、連休明けとなる今晩の米国市場をみたいとの声も出ていた。
朝方の外為市場では円安が進行。ドル／円が８５円台を回復し、２０１１年４月１１日以来の高値を付けたことを手掛かりに、日本株は買い先行となった。「金融緩和をはやす動きが続いているほか、政策期待もあり、基調は強い」（ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏）という。海運、鉄鋼などの景気敏感株や、ノンバンク、証券など金融セクターの上昇が目立ったほか、円安を好感して自動車や電機など輸出株の値動きも堅調だった。
後場には「先物に断続的な買いが観測され、指数を押し上げた」（準大手証券）と指摘され、上昇基調を強めた。先物市場では３００─５００枚単位の大口買いが見られ、日経平均先物が一時、前日比１８０円高の１万０２５０円まで上昇、３月２８日の年初来高値１万０２２０円を更新した。新政権による政策期待から年明け早々にも外国人投資家の買いが一段と強まるとの見方が出ており、好調な新年相場を先取りする動きもみられるという。
衆議院は午後の本会議で、首相指名選挙を行い、自民党の安倍晋三総裁を新首相に指名。参議院でも決選投票の結果、安倍氏が首相に指名され、衆参両院で安倍氏が首相に選出された。これを受けて、２６日中に第２次安倍内閣が発足する。安倍新内閣について、市場では「一部の予測報道にあるように麻生財務相、甘利経済再生担当相という布陣であれば、『上げ潮』路線がより明確になるとして海外勢は好感するのではないか。これまでの実績があるので、手腕などを予想しやすい」（ばんせい証券ストラテジストの廣重勝彦氏）との声が出ていた。
一方、米「財政の崖」問題の行方も引き続き懸念されている。みずほ証券エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は「円安を手掛かりに買われたが、米『財政の崖』問題をめぐる動向を見極めたいとの見方が強く、上値の重しとなっている。年末接近で現物株よりも先物主導の相場に戻りつつあり、商いも減少傾向。きょう安倍政権が発足するが、ほぼ織り込み済みであり、為替や米株動向の方が手掛かり材料となりやすい」と指摘した。日中には米国市場の再開を待ちたいとのムードが広がる場面もあった。
個別株では、シャープ＜6753.T＞が売買代金トップと活況で、前日比１５％超の大幅高となった。「激しい値動きを好む個人投資家の買いが向かっている」（国内証券）という。１１年３月以来約１年８カ月ぶりの高値水準となった野村ホールディングス＜8604.T＞のほか、オリエントコーポレーション＜8585.T＞やアイフル＜8515.T＞など金融株も活況。キヤノン＜7751.T＞は売られたが、トヨタ自動車＜7203.T＞やソニー＜6758.T＞など主力輸出株も堅調だった。
また戸建て住宅メーカー６社も買いを集めた。一建設＜3268.OS＞や飯田産業＜8880.T＞、東栄住宅＜8875.T＞、タクトホーム＜8915.T＞、アーネストワン＜8895.T＞、アイディホーム＜3274.OS＞の戸建て住宅メーカー６社が２５日、共同持ち株会社を設立して経営統合することで合意し、好感された。飯田産業、タクトホーム、アイディホーム、一建設はいずれもストップ高比例配分となった。
東証１部騰落数は、値上がり１１５９銘柄に対し、値下がりが４３０銘柄、変わらずが１０６銘柄だった。
（ロイターニュース 杉山容俊）
日経平均＜.N225＞ ＴＯＰＩＸ＜.TOPX＞
終値 10230.36 +150.24 終値 847.71 +9.70
寄り付き 10131.22 寄り付き 842.52
安値／高値 10107.34─10230.36 安値／高値 841.09─847.8
東証出来高(万株) 279040 東証売買代金(億円) 13222.42
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