昨日は親友のアイと、パン教室に行った。



(パン作るの、楽しいし食べれるし、女っぷりアピれるし、面白そう)



と、安易に通い始めたけど、いざやってみると楽しくてハマッている。



だいたい発酵時間とか焼き時間の間は、もっぱらアイとガールズトークをして



時間を過ごす。



「最近どう~??クリスマス、お宅はどうすんの?」



アイがパン生地を丸めながらこっちを見る。



「うーん。今年は平日だからねえ・・・・彼氏も仕事だし普通に食事とか?プレゼント交換して、ハイ、カンパ~イくらいじゃない?」



「なんか、イマイチ盛り上がってなくない?うちなんて温泉とったよ!!サプライズでね♪」




アイは婚約同然の彼氏とアツアツらしい、、、、



「いいじゃん、温泉。ラブラブでいいね~」


「お宅の彼氏もカズキを溺愛じゃん♪」


「んー。。まあ幸せっちゃ幸せだけど。。。」



私は今年の夏に、結構辛い失恋をした。



ずっと親友だった、ヒロ。



なんでも話して、語って、2人爆笑しては飲んで



兄弟みたいに仲良かったヒロ。



1年たって、お互いレンアイモードになって、付き合って、周りもみんな仲良くて



この人と結婚するんだ、運命の人と出会ったんだ!!



って、毎日楽しくて。



でも、終わってしまった。






「思い出すんだよね、ヒロのこと。



元気かなあ??あの時、別れてなかったら、今どうしてたのかな?



って。電車の外を見てるときとか、夜眠りにつく前とか。。



戻りたいとかそんな気持ちはとっくに捨てたけど、



まだ、思い出すんだよね。。。



この気持ちは未練なのかな?今の彼のことも大切なのに、無意識に比べてるのかな?」




パンをこねる手を休めて、静かにアイは言った。







「多分・・・・・それは未練とかじゃなくて、今の彼氏を愛してないわけでもなくて・・・・・





カズキが、カズキ自身を超えていないだけだと思う。」






「え??私が、私を?・・・超える??」





「ヒロと付き合ってた時のカズキは周りも見えてないぐらい



キラついててさ。しあわせ~ってオーラがすごく出てて、


正直私も嬉しかった。



ただ、ヒロといる時のカズキの「スキの気持ち」を



「今のスキの気持ち」が



ただ、超えてないだけなんじゃない?」





「・・・・・。いつか、超えるのかな??」




「んー。これから今の彼と付き合っていく時間で、それを超えるのか



新しい誰かとレンアイして超えるのか、分からないけど




きっといつかヒロを超える人が現れるよ。」




ピーピーピー




いつのまにか私のパンは焼きあがっていて、




こんがらがったもやもやも、糸が1本解けたように軽くなった。




(あのときのスキな気持ちを、自分が超える、、、か、、、)




外に出ると、いつもの渋谷はなんかキラキラしていた。




過去のレンアイを引きずったり、思い出したり、そんなのもしかしたら



みんなあることかもしれないけど



ただ単純に、ヒロには幸せになってほしい。



あの夏、私があなたを諦めたことを後悔しないためにも。。。。。





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