左目開眼がキツいけど
ずっと気になっていたDVDを観ることに決めた休日。

それは邦画『魍魎の匣』映画


$眼瞼(がんけん)ケイレンがゆく


邦画は大好き。京極夏彦の小説も好き。

でもこの前作でもあり、映画化された『姑獲鳥の夏』に
「あ~やっぱり京極作品の映像化は無理ねぇ…」
なんて思っていたのに、映画化されるとなるとやっぱり観たかった私。

姑獲鳥~の時は原作を読み終えてDVDで観たんだけど
魍魎~は、まだ原作を途中までしか読んでいないまま映画館で観た。

それが良かった?のか、安っぽいSF映画みたいな終盤に萎えてしまい
前作より変更のあったキャストに不満はあったものの、まぁまぁだった。

でも、小説の中で説明される
登場人物の詳細な相関図を知らないまま観てる人たちには
きっと???ばかりで、満足できる人はいないだろうな~
なんて、確かそんな映画だった。

映画を観た後で、なが~い長い原作を読み終えて・・・

何故、あんなに端折りまっくていた映画版を
まぁまぁなりに満足してしまったのかσ(^_^;)?
ずっと気になっていて。


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映画は時系列を入れ替えてすすむ類の作り。
美少女連続殺人と新興宗教、まさに匣のような建物の医学研究所。
その三つが繋がる事件の真相(深層)部分を
古本屋で宮司で憑物落としの京極堂が暴いてゆく推理小説…を映像化。

時にコメディタッチで描かれていてテンポも私好み。

堤真一は原作の京極堂を多少崩しつつ、凛としてるし
個人的に大好きな、不思議な力を持つ榎木津探偵の阿部寛にも満足。

でもやっぱり、京極作品を読み慣れていないと
字幕スーパーが必要なくらい、役者の台詞が聞き取れない。
(これは、役者の滑舌の問題とも違う)

この作品を観た時、私はきっと映画に対して
一番ベストな立ち位置だったんだろうな。

『姑獲鳥の夏』を小説・映画共に経験していて
『魍魎の匣』の映画化に期待しないまま
詳細な人物相関図を把握しつつ
小説(原作)の世界に二三歩足を踏み入れてから
映画の匣の中に入って行った。

ぼんやりとしたまま…。

まさに魍魎の世界。

だからラストで、
京極堂と関口の奥様がそれぞれ登場して
スクリーンに華を添えるシーンも
前作から観て当然で、
清水美砂も篠原涼子も綺麗だから私は好き。

(関口役は、永瀬正敏の方がいい…椎名吉平では強すぎる気が・・あせる


ただ・・・

本当のほんとうのラスト。

匣の中の少女が吐きだす言葉。

その言葉に込められた意味に、伏線がなかった本編が残念。


やっぱり、あの長編を2時間に収めるのは無理。
(分かってはいたけど(笑)あせる

人はきっとみんな、何らかの匣の中で生きているのかもしれません…