「無常観」を描いた絵本ですよね。
この世に常なるものはなく、全ては生々流転する、ということ。
ぼく 死ぬのがこわいよ。
そのとおりだね。まだ経験したことがないことは、こわいと思うものだ。
でも考えてごらん。世界は変化しつづけているんだ。変化しないものは ひとつもないんだよ。春が来て夏になり秋になる。葉っぱは緑から紅葉して散る。変化するって自然なことなんだ。
きみは春が夏になるとき こわかったかい?緑から紅葉するとき こわくなかったろう?ぼくたちも変化しつづけているんだ。
死ぬというのも 変わることの一つなのだよ。
何年も前に私が産まれた時、私を構成していたものは、全て母親の胎内から得た、母親と同じ成分でした。
でも、65歳の今、私を構成しているものは、細胞から何から母親からもらった物質としての成分ではなく、全て新たに取り入れた食物から出来たものに取り変わっているはず。
じゃあ、私は私ではなくなったのか、と言えば、私なわけです。
私はどこまでが私なのか。
この世に常なるものはなく、全てが変化し続けるものなのかもしれません。