過去に付き合った人、好きだった人、思いを寄せた人・・・、ってのを思い返した時、「あの人のことは忘れられない・・・。」ってことがあったりします。

今、恋人と幸せに過ごしていたり、結婚して子供が出来て穏やかな日々を送っていたりしていても、「あの人を思うと、心の何が動き始める・・・。」っていうような。

そういう感情が芽生えた時に、「今、私は大事な人と幸せに過ごしているのに・・・。」って感じで罪悪感というか、裏切り感を持ってしまう真面目な人もいるかとは思いますが、人間なんだからねえ、そんなんは普通のことですよね。

人の心のわけわからなさ、っていうのは、倫理や道徳や世間体でどうこうできるものでもありませんから。

でねえ、「好きな人、付き合った人はたくさんいたけれど、今でも強く思い出され、心に残っている人「と「そうでない人」っていう違いがある場合、その違いはどこから生まれてくるものなんでしょうかね?

ちょっと考えたんですが、それって、片思いでも両思いでも、相手を思い共に時間を過ごす中で、「知らない自分を知ることができた」っていう経験やインパクトが多く強い人が心に残り続けるんじゃないか、ってことを思ったんですね。

特に女子は、男子に比べ、恋愛をすると変化する人が多い傾向があると思いますが、女子の誰もが恋愛をして変化するわけでもないし、誰かと付き合う度に変化しまくるわけでもない。

「変化したいと思わされる何か」を相手がもたらしてくれることによって、「変わりたい!」ってことを自然に思うわけで。


恋人と手をつないで公園を歩いている時に、「見て。空が青いね。」って言われて空を見上げた時、「ああ、ほんとだ。空が青いや。綺麗だな。」ってことを思った時、そこにこれまでになかった感動があったりしたら、その人は知らない自分を知ることが出来るようになるわけですね。

これまでは、「当たり前に青かった空」が、その恋人と手を繋いで一緒に見ることで、「ああ、空はこんなに青かったのか。これほどまでに美しいものだったのか。」っていう心の揺れが起きたのならば、それは強く自分の中に残る。

知らない世界を知ることが出来て、知らない自分に触れることが出来たわけですから。

恋をすると、相手に強く思いが向きます。

そして、その相手に強く向いた思いがあるからこそ、今まで経験したことがないような世界が自分の中に入ってきたりもする。

それが強いインパクトを持ったものだったり、大きなものであったりした時、それをくれた相手のことが自分の中の深いところで大きな存在として残り続けたりするんじゃないかと思ったわけです。

ま、男女によって、過去の恋愛についてのとらえ方は別物で、男は「名前をつけて保存」するけれど、女は「上書き保存」するってことが言われたりもするので、一概には言えない代物であるのでしょうが、「知らない自分を知ることが出来た」っていう体験は、淡い思い出と共に確かに残るものなんじゃないかと思う次第でございます。

たとえそれがどんなに些細なことであっても、好きな人を通して知らない自分を知ることが出来た、ってのは、恋愛における素敵な体験であると思います。