「頑張れ。」という言葉は、世の中にあふれています。

朝のニュース番組なんかでも、終わりの頃に女子アナが、「今日も1日頑張りましょうね♪」とか笑顔で言ったりしてます。

でも、それを聞くだけではなかなか頑張れない。


誰の言葉だったら頑張れるでしょうね。

あなたは誰の言葉だったら、それを聞いて頑張れますか?


家族の言葉ならば、頑張れる人は多いでしょう。特に子供の言葉ならば。

以前、ボランティアをしていた時にこんなことがありました。

昔ね、渋谷の駅前にプラネタリウムがあったんですよ。ビルの老朽化で取り壊されましたが。今はヒカリエになっているところでしょうか。

私がやっていたボランティア先の幼稚園では、年に1度、みんなでそこのプラネタリウムを鑑賞しに行ってたんですね。で、プラネタリウムは確か最上階にあって、何十人かの子たちが少人数ずつ何回かに振り分けてエレベーターに乗るわけです。

その時は、何人かの子供たちと私と園長先生でエレベーターに乗って上まで行ったわけですが、その当時ですらボロいビルだったので、エレベーターも年季が入っていて、ガタゴトいったりするわけですよ。

で、その時も「ガタッ!」となったんですが、一緒に乗っていた園長先生が子どもたちに冗談めかして言ったわけです。

「壊れて、閉じ込められちゃったらどうしようか・・・・w」って感じのことを。

私は笑って聞いてたんですが、聞いているのは幼稚園の年長さんですから、「え・・・・、やばい・・・・。」的な表情がモロに顔に出ているわけですw アハハ、かわらしい・・・って思っていると、その中の1人の男の子が力強く言ったんですね。

「だいじょうぶだよ!ソラさんいるから!!」

と。

「あら、凄い信頼ねえ。」と園長先生は笑ってましたが、あれを聞いた時ね、「なんかあったら、絶対この子たちを守らなきゃあかん。」ってことを強く思いました。

もちろん、そんなことを言われようが言われまいが、やるべきことはやらなきゃいかんのですが、誰かの信頼が、自分の心に「やる気」だったり、「強さ」だったり、「覚悟」だったりを生んでいることは間違いありません。


人は、「頑張れ!」って言葉で頑張れるわけではないですね。もちろん、頑張れる時もありますが、勝手に頑張りたくなってしまうのは、誰かからの信頼があった時です。誰かからの信頼は励ましとなって、自分の心に火をつけて、背中を押してくれる。

信頼って良いもんですね。

「あんたが稼がなきゃ私は困るじゃないの。頑張ってよ。」的な依存の上にある「頑張れ」ではやる気になりませんが、信頼の上にある言葉ならば、「無理しないでね。疲れたら休んでね。」っていう言葉でも頑張れる。

人はついつい、「もっと頑張れよ。」とか、「お前には無理だよ。」とか、「出来るわけないじゃん。」とかってことを言ってしまいます。

もちろん、今現在、なんの実力もなく、なんの努力もしていず、方法論が滅茶苦茶で飛躍した考え方だったりする場合には、冷静に現実を見据えさせることも必要でしょう。

でもね、やっぱり信頼したいですよね。

信頼は励ましになり、心に光を灯すわけですから。