「岡田さん…退職…一線を退く…て…」
「うん」
「パーティー…そんな大袈裟じゃ無いけど呼ばれて行ったんだ…」
「そしたら…岡田さん…おれの…こと…」
翔の声が泣いている
「『櫻井さん…』…て…」
「もう…小僧でも…君…でも…無いんだよ…さん…だよ…」
「まだまだな…俺に…」
「う…ん…」
「俺…言ったんだ…『さんなんて…』て…」
「う…ん…」
「そうしたら…『一人前の人に君は無い』て…笑ってくれて…」
「俺…嬉しかったけど…淋しかった…凄く…淋しかった…」
「う……ん…」
「…バカ…だな…薔子が泣く事無いんだよ…」
翔の手が優しく髪を撫でる
「う…ん…」
「まぁ…いいか…」
「え…っ?」驚いて顔を見る
「俺…うまく泣けない事があるんだ…だから…」
「…代わりに泣いてくれて…ありがとう…」
「しょ…う…」
「うん?」
「好き…大好き…」
「知ってるよ…だから隣りにいてくれるんだろ?」
「う…ん…」
「まだ、泣き足りない?」
「う………ん…」
「よし、泣け…俺の代わりに泣いてくれ」
「ま…た…ブサイ…ク…になる…よ…」
「いいよ…俺には可愛く見えるから」
「しょ…う…」
子供のように泣いて胸に顔を寄せる私の髪を優しい手が撫でる…
温かい体温と鼓動に包まれていつしか私は眠っていた