「ねぇ…薔子、顔上げて俺を見て…」
タオルから顔を上げ腫れぼったい瞳に映った翔は…
鼻の下に鉛筆を挟んで唇をタコみたいにとがらせ…
「翔…」
「ブサイク…」
「えー…ブサイクかよー…」
「でも、いいや…薔子が笑ってくれたから」
“本当…笑っていた…”
「それに…」
「ん…?」
「薔子だってブサイクだよ…」
「ひど…」
「でも、その顔が好きなんだよなー…」
「なんでだろうな…」
ジーと見つめられて恥ずかしくなる…
「顔…赤いよ…」
「だって…翔が…見つめるから…」
「俺に、見られると恥ずかしい?」
「うん…」
「かわいいーなー…」
「なっ…」
「ねぇ…隣に行ってもいい?」
「……うん…」
私は小さく首を動かした。
翔が右隣に座ると何時もみたいに左胸に私の頭を手で寄せてくれる…
翔の体温と匂いと鼓動を確かめると心が落ち着いてくる…