短編小説『闇の販売所』~番外編~ -5ページ目

短編小説『闇の販売所』~番外編~

もし、絶対に買えないものが存在したら、あなたは買いますか?
毎回、読みきりの短編になっていて読みやすいですよ。

(クリエイター野亜さんの作品です。)


本編はこちらをクリック ⇒ ⇒ 『闇の販売所』(本編)


大阪 道頓堀

ロングコートの男が・・・歩道に立っていた・・・

多くの通行人が彼を・・・煙たい眼差しで避けて通る。

・・・

それでも・・・男は立ったまま・・・微動だにすら   しない


ロングコートの男が見つめている先・・・

『ついにオープン♪リサイクルショップ《光の販売所》』

・・・

『実に不愉快ですねぇ』

光の販売所・・・

「いらっしゃいませ」

「・・・」


なんや~?この男・・・無視かいな?

「私、全国を周っておりまして・・・急にお金が必要になりましたので
・・・商品を買い取っていただきたい」

「あ~、買い取りでっか?何でも買い取りまっせ!」

男が・・・トランクを置き、中身を眺めだした。

はよぉ~してや~。わし店閉めて競馬場行きたいねん・・・

「では、こちらの鉛筆など、いかがです?」


はぁ?

「お客さん・・・鉛筆は腐るほど、あんねん。ちゃうヤツにしたって」

「そうですか・・・では・・・」

「こちらの紙コップ。こちらの・・・」

「いらん・・・いらん・・・次」
手で振り払いながら指図して・・・コイツ冷やかしか?

「そうですか、では、こちらのカセットテープ・・・」


「誰が買うねん❢今・・・平成やぞ!あんた東京の営業マンか?」

「一応・・・東京からですが。何か不都合な事でも?」

「向こうでも、商売うまく行ってへんかったんやろ?もっと・・・しっかりせな
アカンで・・・」

「・・・」

「まぁ・・・エエわ!なんで急にお金要るんや?今なんぼ持ってんねん!」

「先ほど・・・どうしても欲しい物が見つかりまして。それと私、お金は
持ち歩いておりません」

「はぁ?おかしなやっちゃな~どうやって東京帰んねん?」

「・・・」

「第一!銭無かったら・・・どうしようも無いやん!」

「私にとって、お金は必要ありません。大人が子供銀行のお金を
持っていても使えないのと同じです。」

痛いやっちゃな~ぁ。。

・・・



「しゃ~ないなぁ!この二万円・・・帰りの電車賃に使い・・・」

「宜しいんですか?」

「但し!!次こっち来た時は倍の4万にして返しに来いや」

「私・・・次にこちら赴く日が、いつになるか分かりません。お礼に
・・・こちらを御受取下さい。」

!!?

男がトランクから取り出したのは・・・仮面・・・

「おい・・・コレ18金やないか!あるんなら、はょ~出して~なぁ!
人が悪いなぁ」

「こちらの商品・・・当店では1200万で撃っておりましたが・・・
お譲り致します」


1200万?重さからして3万くらいやけど・・・
この男・・・エゲツない商売しよるで!

「そちらの商品・・・名前が・・・」

「いらん。いらん。説明も名前もいらん。これで2万はチャラやな・・・」

・・・

「そおうですか・・・それでは私。失礼します・・・」

「気いつけてな。あんまりエグイ商売しとったら、しょっぴかれるで~」

「・・・」

競馬場・・・

「クソ・・・2レース続けて外した・・・次は~っと」


『おい』

「ん?誰や?」


・・・

誰も・・・おらん。周りの人間は競馬新聞に必死になっている。

『俺は・・・直接話掛けている・・・貴様のポケットに居る』


!!?

なんや?なんや?

ポケット?

「うわっ」

この仮面・・・目光ってるやんか!

『俺を使え!』

「どういう意味やねん」

『貴様・・・アイツから説明無いのか?』


アイツ?あのロングコートの男のことか?

『いいか!良く聞け!』

なんか・・・エラっそうな仮面やのう。

『俺は・・・全てのレースの結果が分かっている』

「ホンマか~?」

『だが3回だけだ。しかも・・・その内1回はウソをつく』

「ふ~ん。おもしろい!ほな次は何が来んねん?」

『1枠1番アタッテクダケロウ』


この馬・・・大穴やんけ!

半信半疑だったけど・・・当たりよった。

「おい!次!次は!?・・・なんや?」

待てよ・・・
今のんで1回本当やから・・・

「おい・・・次は馬連やるから!2頭の馬の名前言うとくれ」

『いいのか?外してるかも知れんぞ?』

「まだ2回あるから良いねん・・・はよ次なんや?」

・・・

「5番コーコーナメテ」
「9番アンソコガイイ」

ホンマに当たりよった・・・

この仮面間違いなくレースの結果分かってる。


しもた!もっと掛けといたら良かった。

次当たりか?外れか?

沢山賭けたいけど・・・確実ちゃうしなぁ~・・・

「確立半分か・・・次辺り・・・ウソつくかも・・・」

・・・いや・・・

そう思わせて当たるかも・・・

どないしよ・・・どないしよ・・・


来たら・・・アホらしい。

しゃ~ない・・・全部賭けてみよか!
これがギャンブルやで!
「仮面はん。次の2頭は何来る?」

『2番モットーツッヨク』
『13番シヴァ・ツーテー』

「行け・・・行け~!!今日の持ち金全部・・・賭けてんねん」



!!

!!!

んな・・・アホな。



外した・・・

でも・・・あと一回は必ず当たる。

こうなったら・・・最終レース全財産賭けてやる。


時間が無い・・・まだ銀行に間に合う・・・

考えると同時に走り出していた・・・

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

最終レースは3連単で勝負や・・・3頭の馬を順番通り当てな意味が無い。


この全財産を賭けて配当金は・・・?

!!!!!!!


ウソやろ・・・

9300億・・・

競馬史上・・・こんな額・・・


聞いた事あらへん。

「かっ・・・仮面様。最後は着順通りの3頭をおっ・・・教えて下さい」

『さぁな・・・』



「さぁな・・・って、どういうことやねん。エエから早く教えてくれ・・・」

『・・・』

「頼むわ!この通り」
頭を下げて・・・お願いした。

『しょ~が無ぇな』

「恩にきるわ!」

「で?次なんの馬来るんや?」

『17番エースエムイーヤ』
『8番ノマルがッスキ』
『12番ソダヨーネ』

「よっしゃ~!これで・・・わしは億万長者や~」

当たると分かってても緊張するもんやな。

なんせ・・・9300億・・・

もうすぐ始まる。早く・・・券買いに行こ・・・

・・・

そして・・・レースが始まった。

「おっ!おっ!おし!そこや!いけ・・・いけ~~!!」

「ん!」

「おい・・・」

「なんでや?」

電光掲示板には・・・

《1番サークシャワー》
《2番シャイ・ボーイ》
《3番アーツ・ギデス》

「順番どころか・・・1頭も入ってへんやないか!なんでや?」

『俺は・・・3回の内、1回外れると言ったんだ・・・』

「だから・・・今のが3回目ちゃうんか?」

『良く聞け!3回の内1回はウソをつく』



『これが1回目の本当だ』

!!

「なんや・・・それも入るんかいなぁ」

『人間の欲深さの負けだ・・・わははははは・・・』

「買わんくて・・・良かった」


!!?

『何だと?買ってないだと・・・』

「正確には・・・買えんかったゃ。ノマルガッスキが棄権したからな」


『そんな・・・』

「大阪人舐めんなよ~!わしの勝ちや!わははははははは・・・
こんな仮面とかして・・・売りさばいたる」

最上段で笑っている。男がいる。

「良かったですねぇ。財産を失わなくて・・・」

・・・

「その仮面の名前は・・・ファントム。ただのイタズラ好きな妖精です。」

男は・・・立ち上がると・・・

「さて・・・私も、そろそろ行きましょうか」


光の販売所・・・近くの路上・・・

「あの・・・すみませんが、その油絵売って頂けませんか?」

ホームレス風の男性に問いかける。

「ん?あ~良いで!好きな値段で買うってって」


2万円差し出す。


「えっ?こんなに?」
驚く男性をよそに・・・


「この油絵が大変、気に入りました・・・何処でお描きに?」

「あ~、昔・・・東京に行った時に描かせてもらった絵だ。
じゃ遠慮なく・・・もらうで」


「そうですか・・・なぜか私には、とても懐かしい」

絵には・・・家族が描かれていた。

父親、母親、男の子、女の子の4人が笑っている絵・・・


タイトル《東京の一家》

「ん?あんた・・・そんなに感動したんか?涙まで流して」

!?

「涙・・・?ありがとうございました。では・・・失礼します」

私が・・・涙・・・?


油絵終了

◇次回は修学旅行です◇

本編から読まれますと、10倍楽しめます。
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