秘密兵器とは

 

 秘密兵器というと何を想像しますか。

飛行機、ミサイル、戦車、戦闘艦などハードもよいが、それらは、

使用したら、コピーされる危険がある。私は、ソフトな方。

スパイ、戦法、システム、などがさらに良いと思う。

 

 若い信長が美濃の道三に会いに行った時。なぜ信長を

殺さなかったのか。

 

 小説には、信長の鉄砲の数の多さに驚いたと、書かれているが、詳しくは書かれていない。道三の心理を私が分析すると。

 

 

1,鉄砲の数=経済力

 

 信長が、美濃に行く鉄砲兵の数を500とする、しかし、実際の信長の持っている鉄砲は200ぐらいであった思う。残り300は袋の中に木銃を入れていたとみる。道三が300の鉄砲を持っていたなら、

それから経済力が推し量れる。鉄砲兵の100人くらいが銃を見せていて、その銃の口径が揃っていたら、

 

なおさら、やられたと思っただろう。

 

 

2,十分訓練された兵の行進

 

 雑兵は戦況次第ですぐに逃げる。いい加減なものが多い。

しかし、信長の行進の兵は整然と行進していた。それには、信長だけでなく、将校つまり武将がしっかりと兵を鍛える必要がある。

若い信長の領主としての力量がそれで推し量れるのである。

 

 

3,行進の時と会見の時の姿

 

 小説では信長の忍びが多く配されていて、道三が小屋から

覗いていたと書かれているが。もちろん道三も忍びは

配置していただろう。

 しかし、会見の時に正装してきたのには、驚いたと思う。

歌舞伎の役者ならわかるが、国のトップである領主が、

敵地で着替えるとは、道三には想像できなかった。

意表を突かれたのである。

 

 着替えを素早くするには、相当の練習を積んだことが

判るのでかわいいと思ったのかもしれない。

 

 

4,2,と同じようなことだが槍兵の練度が高い

 

 信長軍の槍は、ほかの槍より長い。長いほうがたたき合いや

敵の届かないところからの攻撃。高いところにいる敵への

攻撃に利点がある。

 

 しかし、長い木製の棒の先に穂先が付いていて、しなるし、

振り回すには力が要り、敵を刺すにはぐるぐる回る穂先で

ヤーと突かなければならない。

 

 つまり、使いこなすのに他の短い槍より時間と才能がいる。

林や森(当時の燃料採取のため案外刈られて少ないが)移動は

困難である。それが判る道三には強そうに見えたであろう。

道三は槍の達人という小説もある。

 

 

まとめ

 

道三の見解は

 

 鉄砲の数も、経済力であり、経済運営が旨いことを示している。

兵の訓練も簡単ではなく、武将も並み以上と見た。領主なり立ての

信長が極めて優秀なのに、それを周りが”たわけ”と評価している、

目利きのなさを痛感し、まだ若い後の伸び代がある。

 今、殺しあうと美濃軍にも、ダメージがある。簡単ならば、

殺そうと思っていたが、今はやめたほうが良いと考えた。

このまま同盟関係を継続。

 

 

信長の考え

 

 現状は美濃は尾張より国力が大きく、兵力も大きい。その場合の主導権は美濃側にある。(今の日中の関係と同じ)

戦争は今はしたくないが、攻め込まれても、簡単には

負けないことを、道三に見せたかった。

もし、殺されても、腹をくくるしかない。

 

 しかし、先は、尾張のほうが海上流通による、

経済拡大を図り、経済力で美濃を追い越して、

兵力増強がなったら、美濃に攻め込む。

 

 京に近い利点を道三に知られる前に、信長の父の頃からの

義龍と道三と仲違するように仕向ける謀略も続け、

美濃を強くしないようにする必要がある。

 

 鉄砲は槍や馬を使う兵より訓練する時間は少なく。

才能は並みで良い。城の防衛に良いので、支配地域とともに

鉄砲兵も増大させなければならない。

 

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さて、長篠の戦いで信長が用意した秘密兵器は、それは

大砲である。

 それを、徳川家康の防衛陣に配置した何故か。

ただの威力だけではない使い方を考えてみてください。

ただし、そんなことはどの本にも書かれていない。

 

ふふ、私の妄想ですが、強い動機があるのである。

 

つづく