マハン海上権力論集を読んでの感想

信長の作戦を考えていたが、途中、日本とアメリカとの空母決戦に

興味が湧き、その途中でマハンという人物の事が気になり、

上記文庫本を購入した。

 

 マハン論の要点は、資源が豊富で、国内に大きな市場を

持ち、商業も工業も保護貿易で発達したので、これからは、

ヨーロッパの国がやっている植民地拡大競争に参入し、さらに、

国土や国富を増大しなければ、乗り遅れるし、その為に、

強力な海軍を作らなければならない。

 そのような世論を盛り上げようという事である。

 

 マハン個人は、海軍の船で航海はしたが、実戦経験はない。

ゆえに、戦争の悲惨さは知らず、かつ、パワーという単語が、

一部の人々に受け入れられ、人気を博し、さらに強硬な

提言を出し続けた。

 

 逆に、当時では、帝国主義的、アングロサクソン優位、

それ以外は全て野蛮人的な人種差別が当たり前の

世界だったことがよく分かった。

 

 大西洋側では、国内が居心地の良いフランスを除く植民地を

持つ国や近隣の国、カナダ、イギリス、ドイツが仮想敵国。

太平洋側は、大量に移民してくる中国や日本、西太平洋に

多くの植民地を持つドイツが仮想敵国になる。

 その様な世界征服を目指す考え方である。

 

 マハン論は結果的に第二次大戦でアメリカは大西洋側の

ヨーロッパ戦線。太平洋側の対日戦に十分な戦力を投入して、

ドイツと日本を叩きのめした。しかし、

 あまりにも金を使いすぎて資金が枯渇してしまい、終戦後に

大量の維持費が捻出できないために多く軍艦が破棄された。

 

 あんなに大きな戦争をしても、戦争は無くならないが、

アメリカも学んだので一国で解決することは避けて他国と

共同で対応するようになった。

 

 現在、マハン論的選択をしているのは、中国で、中国が

面している海は、太平洋である。

 日本、アメリカ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、台湾

オーストラリア、ニュージーランドと敵が多い。弱い日本は、

すぐに占領できそうなのだが、アメリカは日本に2回核攻撃を

した実績があり、躊躇せずに、核を使用する確率が高い。

 初めに、アメリカと叩き合いは避けたいと考える。

 

 中国の西側はインド中東、ロシア、ヨーロッパである。

 

 中国は世界の物資の最大供給国であり、資金量も大きい。

 

 私の考えは、金と兵員の技術が必要な艦船での戦いは避けて、

ミサイルで制海権を狙うような気がする。

 

 さて西は、陸上戦の奇襲で大西洋に面する小国のベルギーや

オランダを占領するような気がする。そして、すぐに中国の占領を

諸手を上げて、歓迎するフェイクニュースを流し、既成事実化する。

 

 ユーロはプライドでアメリカの参入を拒むが、何しろ人権と

環境問題にうるさい国民がヨーロッパ人を人質にしている中国軍に

対する攻撃に反対しているうちに、

 さっさと中国は、ヨーロッパ全土を攻撃するミサイル基地を

建設してしまう。こんな小国も占領できなければ、

ヨーロッパ侵略は不可能でしょう。

 

 つまり、ヨーロッパからヨーロッパを攻撃すると、核は使わずに、

ヨーロッパの大部分が中国の領地になる。

 

 次は、お決まりのロシアかイギリスだろうけど、

どちらも凶暴な国なので、ここで、確実な占領政策と白人人質の

分散で、国力の拡大を図るような気がする。

 

これを見た人は、如何感じましたか。

 

以上