不運というのは、どういうわけか続くものらしい。
私はそれを「不幸3連続の法則」と呼んでいる。
その典型例は、新婚旅行の出発時。
1.家から駅へ向かう途中、トランクのキャスターが壊れてしまい、ずっと引きずって歩くことになった。
2.空港へ向かう成田エクスプレスが、なんと遅延して、空港で待っていたツアーの添乗員をヤキモキさせた。
3.飛行機の座席で、ツアー中の一組だけ横並びにできなかったというチケットを、よりによって引き当ててしまった。
ただその時は、ほかの参加者で年配の姉妹にお願いして、ありがたいことに席を替わってもらうことができた。
その後は、とても快適で心に残る旅行を楽しむことができたので、私たち夫婦は、こう言い合っている。
「アンラッキーを先に処理できたね!」
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「アンラッキーを処理する」というのは、こういうことだ。
ある人間、ある家族、ある集団を見たときに、幸運と不運、幸と不幸、ラックとアンラックは、総量としてバランスがとれていると思う。
熱量保存の法則になぞらえて、私たち夫婦はこれを「幸運量保存の法則」と呼んでいる。
ま、簡単に言えば、楽あれば苦ありってこと。
悪いことばかりじゃないし、良いことばかり続くと思っていると痛い目にあうし、という心の持ちよう。
そのバリエーションの一つが「不幸3連続の法則」。
高校時代、自転車を人に貸したら壊された、自転車屋にかついでいったら休みだった、また担いでもう一軒に行ったらそこも休みだった、とか、枚挙に暇が無い。
つい2,3日前にも妻が、仕事帰りに買い物をして自転車で走行中、タイヤがパンク。
自転車屋が近かったので修理に出したが、たくさんの買い物と壊れた傘を抱えて徒歩で帰宅することになってしまった。
やっと帰り着いたら、よりによってエレベーターの定期点検中だった。
そんなふうに、ひとつ不運があったらまたすぐ続くかも、と心構えをする。
反面、そんな不運・不幸が連続した後は、きっとこのあと、良いことがまとまって来るよ! ってお互いに言い合うのが常だ。
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さて、昨日は良いことが3つもあった。
修理に出していたマンドリン(過去記事参照)が出来上がったという連絡が、予定よりも3週間も早くあり、早速取りに行った。
代わりにレンタルしていた子(楽器)は、ちょっと癖はあってもそれなりに素直で、ずいぶんと乱暴な扱い(ケースに仕舞わず出しっ放しとか、晴れた日に外で弾くとか)をしたが、文句も言わずに耐えてくれたので、かなり馴染んでいた。
マンドリン専門店に息を切らして駆け込むと、本命が待っていた。
さっそく音を出してみると!!
「音」と「音色」の違い、といえば表現できているだろうか、なんだか全然違う。
これがラッキーの1つめ。
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マンドリンを載せてウキウキと車を転がし、アクアラインのトンネルを抜けたところで土砂降りの夕立。
その中に虹が見えたので、急遽海ほたるパーキングに寄った。お腹も空いていたし。
ここに寄ったら必ず食べる立ち食いそば・・・はもう閉店していた。がっかり。
でも、最上階まで上がると、薄れかかりながらもまだ虹が見えていて、どうも根元は海の上のように見えた。
一眼レフで撮ったのだが、消えゆく虹に慌てて充分な準備が出来ず、そのままではほとんど見えなかったので、やむなく携帯に転送して彩度を最大に上げるというインチキ処理をした画像。
虹が見られた。それも根元が見えた。
これがラッキーの2つめ。
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海ほたるで期待していたアサリかき揚げソバが食べられなかったので、アクアラインを下りたところで新鮮で美味しい魚貝の刺身でも、と思った。
ところが、平日だったためか、どこもここも皆閉まっていて、探し歩くうちにお腹がグゥグゥ不平をもらし続けるようになってしまった。
しかたない、行きつけのラーメン屋か、帰って玄米おにぎりでも食べるか。
諦めて、普段は通らないけれども地図上ではどう見ても近道という、国道以外の道をヨタヨタ走った。
と、なんだかいい感じの店構えと美味しそうな匂いのする、こぢんまりとしたお店を発見。
ハザードランプを出して狭い道に無理やり停車、駐車場の場所を聞いてから店内に入った。
そこは、ご夫婦でやっている小さな焼き串屋さんだった。
焼き鳥はすごく安いのに、とんでもなく旨し!
ぷっくりと太った焼きギョウザは、モチモチでこれまた旨し !!
今日のお勧め、イワシのソースを使ったバーニャカウダー、野菜山盛りで旨し !!!
地元の常連客とのおしゃべりもまた楽し !!!!
3つめのラッキーは、美味しいお店があらたに見つかったこと。
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さて、そうなると今度は、アンラッキーが押し寄せてくるだろうな。
「保存の法則」というのは「プラスマイナス・ゼロ」。
良いこと続きのときは、あとがこわい。
足もとにも気を付けて歩かなくちゃ。