◆いつ買って読んだのかははっきり覚えていないのだが、手元にある文庫版の奥付を見ると「平成22年9月発行」と表記されている。ん?‥‥平成22年って西暦何年だ?確か書店の文庫新刊コ-ナ-に平積みになっていたものを買い、神田淡路町の某居酒屋(今は無い)に入り、飲食飲酒しながら読んだと記憶している。

 

 

正直なところあまり期待しないで読み始めたのだが、読み始めたら自分的にはかなり面白く、その居酒屋にて一気読みしてしまった事をはっきり覚えている。今の重度の読書スランプ中の自分からは考えられない事だが、よくよく考えてみるに数年前までの自分は本一冊を大抵は一日で読み終えていたもんである。あのぶ厚い京極夏彦や笠井潔のミステリも、島田荘司の厚めの本も、とにかく一日で読み終えていた。やはり若い頃はパワ-があったんだな‥‥‥とも思う。さて、この『折原一/黒い森』(祥伝社文庫)だが、本そのものが変わった造りになっている。表紙側から読み始めると真ん中辺が袋とじになっており、「この袋を開ける前に、もう1つの方をお読みください」と。つまり上下引っくり返して、裏表紙から始まるもう1つの作品を先に読まなければならないという事。この「表表紙から始まる作品」と、上下を引っくり返して「裏表紙から始まる作品」の両方を読んだ上で、最後に中間部に設置されている袋とじ部分を開けて読む‥‥‥‥という形になっているわけです。おお‥‥なんか大掛かりな工夫だぞ。ただし「袋とじの部分を最後に読みさえすれば、どちらを先に読んでも構いません」とも書かれている。しかし、ここはやはりオ-ソドックスに表表紙側から読むべきであろう。非常に面白い造りだが、ただし中古で買ったり、図書館で借りて読む際には注意しなければいけませんな。たぶん古本や図書館本では、袋とじ部分は完全に開封された状態で売られたり貸し出しされるだろうから、誤って表表紙から一気に袋とじ部分も「通して」読み続けてしまう可能性がある。書店で買って読む場合には袋とじが「生きている」から大丈夫だろうが、この本を中古本で入手したり図書館で借りて読む‥‥という場合には是非とも注意していただきたい。前述の通り自分は居酒屋で一気読みしたわけで、今となっては内容は忘れてしまったものの、かなり面白かったんだと思う。ただ、その後ネットなどでこの本の評を見てみると、多くの方々が「読んでて真相にはすぐに気がついた」とか「先が読めてしまった」らしい。おおお、そうなんですか?ミステリ歴55年になる現在60歳の自分(おっと、この本を読んだ当時はもっと若かったんだな‥‥)は全然気づかずに読んでいたんですが‥‥(笑)。ネットに挙がっているこれらの感想は、自分には結構ショック。というわけで、もしこのブログ記事を読んで「じゃ、読んでみるか‥‥」と思った方々も、あっさり真相に気づいてしまうのかもしれない。「あっさりわかってしまったので、つまらなかったぞっ」と文句を言われそう‥‥。だからこれ、自信を持ってオススメ!‥‥という類いの本ではありません。「他に読む本も見当たらないので、何でもいいから暇潰しに読める本が欲しい!」という方々だけが手を出してみてください。文章はかなり読み易いし、「お話」的にはかなり面白いから。そして図書館で借りる場合&中古本で読む場合には、先の袋とじの件は絶対に要注意です。まずは表表紙から始まる部分。そして上下を引っくり返して裏表紙から始まる部分。そして最後に中間の袋とじの部分‥‥‥という順ですよ。くれぐれもお間違いなく。

 

◆2024年2月23日(金)の自宅音楽鑑賞。

 

↓井上道義って実は日本人指揮者の中ではかなり好きな方なのですが、体調その他の理由もあって近々引退されてしまうそうですね。う~む‥‥残念。結局実演には一度も接する事なく終わってしまうか‥‥。

 

 

↓昨日はこの2枚組CDから第11番を聴いたが、今日はカップリングされている第4番を。

 

 

↓大好きなヒラリ-・ハ-ンのCDです。ただ、このCDは収録曲が幾分つまらないかな‥‥‥。

 

 

↓そして相変わらずのこれ。この中から第3を。かなりのお気に入りCD。

 

 

◆今日も雨降りだし、寒くて外に出る気になれない。

でも買い物に行かないと、夕食で食べるものが無いもんで‥‥。

というわけで、これから近所のス-パ-(片道徒歩20分)へ行ってきます。