◆あまり評判にならないが、島田荘司に『網走発遥かなり』という連作短編集がある。自分が所有しているのは、たぶん講談社文庫から初めて文庫化された時のものだと思う。そして読んだのは1980年代の終わり頃か、ひょっとしたら1990年代の初め頃だったかもしれない。『占星術』や『眩暈』のような強烈な王道本格ミステリとは違うし、自分が島田荘司の密かな「裏ベストワン!」と考えている『異邦の騎士』のように「小説として優れもの」というタイプのものとも違う。敢えて言えば「日常生活を舞台とした『静的な』幻想小説」みたいなものだろうか。ただ、この作品の初読当時、自分的には妙にツボにはまってしまった。「大傑作!絶賛オススメ!」と騒ぎ立てるほどのものではないのだが(だからこの作品はこれまでもブログでは取り上げていない)、なんか「静かにしみじみと」好きな作品。そういう本って皆様もありません?「大傑作!絶賛オススメ!‥‥と大騒ぎするほどではないんだけど、これってな~んか気になるんだよな‥‥」って作品が。自分的にはこの『網走発遥かなり』がそれなんですよ。

この作品って前述のように連作短編集みたいな形なんですけど、その中に『乱歩の幻影』って短編が収録されておりましてね。その短編の中で大きな役割を果たしている某建物があるんですが、その建物って、1990年代前半の頃に自分の「都内お散歩コ-ス」の中に実際に存在していたもの。20年くらい前に取り壊されてしまったんだけど、初めて見た時には「うっ‥‥何なのこれ?」とびっくりした記憶がある。小説の舞台となった建物を実際に目にしていたというのは嬉しい事です。あとから知ったのですが、実はこれって歴史的建造物です。だから取り壊しが決まった時は、様々なメディアで取り上げられた。ああ‥‥そういえばその建物って、現在の自分のブログのアイコンにもなっています。

さて、その『島田荘司/網走発遥かなり』(講談社文庫)なんですが、ここ数年は大書店でもさっぱり見掛けず。「絶版になっているんだろう。まあ、あまり有名作でもないしな‥‥」なんて思っていたわけですが、今年の1月だったか?大書店にて「ででん!」と平積みになって復刊されていた。自分が持っているものとはカバ-・デザインが変わっていましたけど。で、「ん?何故『網走発遥かなり』が今になって突然復刊?」と思っていたら、なんとなんと、ここに収録されている『乱歩の幻影』が近々映画化されるそうなんですね。この時点でちょいと関心は持ちましたが、しかしこういう作品の映画化って、大失敗に終わることが多い。だからその時点ではあくまで「ちょいと」関心を持った程度。その後はその映画化の事もすっかり忘れていたのですが、最近になってネットにこの映画の公式HPがアップされているのを見て、ふと思い出しました。そのHPを見ていて「ほほお‥‥」と思ったのは、原作者の島田荘司が脚本とかも担当しているらしい。おっ‥‥となると、これはちょっと期待出来るんじゃなかろうか?そして予告編動画を観ると、なかなか雰囲気溢れており、ちょいと惹かれますぞ。この映画は2024年春に公開らしいのですが、自分としてはちょいと観てみたいな‥‥と最近思い始めているところです。公開はいつ頃なんだ?上映映画館は?なんかその辺はまだネットにも情報が挙がっていないみたい。

もし関心を持たれた方は、ネットにて映画『乱歩の幻影』公式HPをご覧ください。自分がこの記事にリンクか何かを貼ればいいのでしょうが、60歳の年老いた古い世代の自分にはそういうやり方がちょっとわからないもんで‥‥すんません。たぶん「映画『乱歩の幻影』」で検索すれば簡単に辿り着けると思います。ただ、予告編動画はそんな自分でも添付できたようです。

 

 

 

◆本日2月22日(木)は寒いし、外では小雨も降っているため、自宅完全引き籠もりで音楽鑑賞。

 

↓このCD全集から第4を。

 

 

↓このSACD全集から第7を。

SACDで聴くと、なんかCDで聴いていた時ほどの感激が無い。

 

 

↓このCDから第11番を。

 

 

↓このCD全集から第3を。

 

 

↓このCDから第3を。

昨夜PC+イヤホンで聴いてはいたが、このCDをきちんとした再生装置で聴くのは初めて。

 

 

◆買い物に出向くのも面倒になってしまい、お金がかかるのでこの手は使いたくなかったのですが、今夜の夕食は「出前館」を利用。