◆昨年の終わり頃に出た短編集『フィルポッツ/孔雀屋敷』(創元推理文庫)。そもそも古典のフィルポッツの短編集が出ること自体が驚きでしたが、取り敢えず地元の図書館で借りてみた。フィルポッツといえば、あの乱歩が「オ-ルタイム・ベストワン!」と激賞絶賛した『赤毛のレドメイン』が自分にはピンと来ず、更にはかつては名作と讃えられていた『闇からの声』も自分とは相性が悪く、更には10年前くらいに文庫化された『誰がコマドリを殺したのか?』も、世間では好評だったようですが、自分的には全く駄目だった。よって、こうして新たに短編集が出ても「どうせつまらんだろ‥‥」と関心を持てず。ただ、図書館で借りるぶんにはタダなので、借りてみた。つまらなかったら、そのまま最後まで読まずに返却してしまえばいい。この『孔雀屋敷』には6つの短編が収められている。取り敢えず17日(水)の時点で表題作の『孔雀屋敷』、そして何やら有名らしい『三人の死体』の2つを読了。全く期待せずに読み始めたわけだが、「期待せずに」というその予想は間違ってはいなかったと思う(笑)。これだったらE・クイ-ンの短編辺りを読んだ方が「ミステリとしては」余程楽しめた気がする。ただ、『三人の死体』が全然面白くなかったのに対し、『孔雀屋敷』はちょっとは楽しめた感じ。まあ、古典って、そんなもんなんじゃないかな。残るは4作品。さてさて、果たして面白いものはあるんだろか?返却期限もあるので、さっさと読まなければ。

 

購入オススメ度☆☆☆☆☆

図書館で借りるお薦め度★☆☆☆☆

 

 

◆昨年の11月に、とてつもなく「お値段お安め」ではあるものの、取り敢えず国産某メ-カ-のレコ-ド・プレ-ヤ-を買ったものですから、これを自宅のプリメイン・アンプたるラックスL-509Zに繋いでLPレコを聴いて楽しんでます(フォノイコライザ-はプレ-ヤ-に内蔵されれているものではなく、アンプのラックスL-509Zに内蔵されているものを使っている)。かけているLPレコは(CD時代の前の)大昔に自分が新品で買っていたもの、そしてこのレコ-ド・プレ-ヤ-購入後に中古LPで買い集めたもの‥‥がメインとなっています。しかし他にも自宅には「1990年代前半に密かに買い集めていた中古LP」があるのですね。まず今回はその「1990年代前半に買い集めていた中古LP」について書いてみたいと思います。

中古LPレコ蒐集に関しては、その1990年代前半が一番素晴らしい時代だったと思っています。CDというものが初めて世に出たのが1982年だったか?そして1987年という年が一つの区切りであり、この年に「レコ-ドの売り上げとCDの売り上げとが逆転した」らしい。つまりここからが本格的なCD時代となるわけです。そういえば自分もCDプレ-ヤ-を初めて購入したのが1987年の3月末であり、ここからはLPレコではなくCDを買うようになった。

となるとですね、この1987年あたりを境として、1990年前後って多くのLPレコを持っていた方々がCDに切り替え、手持ちのLPレコをどんどん中古レコ屋に売り始めていた時代‥‥と言えるわけですよ。だから1990年代前半頃に中古LP屋の最大手「D」なんかに行きますと、もう本当に本当に宝の山でしたね。現在なんかはレコ-ドブ-ムで中古LPレコの値段がかなり高騰していますけど、現在高値が付いているような中古LPレコが、当時は美品であるにもかかわらず、100円均一だの300円均一のコ-ナ-にて「バナナの叩き売り」みたいな感じで安く売られていたのを自分ははっきりと覚えている。また、値段が安いだけでなく、何かしら探しているLPレコが当時は中古レコ屋で簡単に見つかっていたんですよね。

というわけで、当時250円程度で売られていた中古LPレコが、現在では4桁後半の値段が付いているのを見るとびっくりしますし、当時「いとも簡単に見つけられていた中古LP」が今ではあちこちの中古レコ屋を探し回っても全然見つからない事を考えるに、「あの頃は良かった!」「あの頃に戻りたい!」とつくづく感じます。例えばですが、クラシック系で言いますと、当時はクレンペラ-やトスカニ-ニやセルやストコフスキ-やアンセルメの国内盤なんていとも簡単に見つかった上、更にそれらが250円前後で軽く買えた。さすがにオリジナル盤や初期盤となるとそうはいきませんが、少なくとも国内盤や国内再発廉価盤の中古LPレコに関してはそんな感じ。自分がこのところ「見つからなくて」ず~っと探している某指揮者の某曲の中古LPなんて、当時はどこの中古レコ屋にも置いてあり、それも300円~600円程度で売られていた。ちなみにこの某指揮者というのは大巨匠とかではないんですが、自分としてはこの某LPレコを「ジャケット・デザインが素晴らしい&音質が凄いらしい(ちなみにDECCA録音)」という理由から探している次第。しかし今となってはあちこちの中古レコ屋を廻っても、この中古LPレコは見掛けもしないんだな‥‥。昨年の夏にようやく神保町の某中古レコ屋で見つけたものの、それには4桁後半のお値段が付いていた。こうなってくると「安値が付いていた大昔に買っておけば良かった‥‥」と後悔するわけですね。

まあ、こういう中古LPレコ探しって、ちょっとした「宝探し」的気分が味わえて、実は探していても結構楽しいんですが、ここまでなかなか見つからないものがあったりすると、ちょっとつらいものがあります。たまに見つかったりすると「お値段お高め」だしな(笑)。やはり中古LPレコ蒐集に関しては1990年代前半が華だった気がする。

 

◆というわけで、最近は週1~2回くらいのペ-スで都内の中古LPレコ屋数軒を廻っていますが、15日(月)の都内某中古店での戦果はこれら。

『シュ-ベルト/美しき水車小屋の娘』ってCDだのSACDでは数種所有しているのですが、LPでは意外にもこれまで未所有。そしたら某中古LPレコ屋にてスゼ-盤(PHILIPS)が見つかったので、280円で購入しました。

 

 

↓ケンペン(ケンペではない)の中古LPレコって最近探しているもの。これまた280円での購入。

ただ、ケンペンではチャイコフスキ-第5番のPHILIPS盤が、自分的には一番欲しくて探している探求盤の1つ。

 

 

↓「若い頃の」ム-ティの中古LPレコって、自分的には結構探求盤だったりする。これも280円で購入。

 

 

これらは特にコレクタ-ズ・アイテムというわけではないのですが、「自分的には」欲しかったものなんです。そしてどれも1枚あたり「280円での」激安購入でした。ちなみに安値で購入したこれらの中古LPを帰宅後かけてみましたが、盤質に関してはどれも全く問題なし。

 

◆ちなみに、こうして中古LPレコ屋に出向く時って、やはり「少しでも多くのお金を中古LPレコの購入に回したい!」という心理が働くのか、飲食店に入る時も「飲食は少しでも安く!」という心理が働くみたいです。例えば都内某所の中古レコ屋のR店に出向く時なんて、某カレ-屋さんで「具やトッピングが何も入らないプレ-ン=500円」を食べるか、某牛丼チェ-ン店で「牛丼(並)=400円」を食べるか‥‥で節約し、それから店に行くようにしています(笑)。