『乱歩/緑衣の鬼』を初めて読んだのはいつだったか?

たぶんポプラ社のジュニア版だったと思う。

 

 

明智小五郎と小林少年のコンビが挑む事件。

これが完璧までに自分の理想型のミステリだった。

初めて読んだときは本当に素晴らしいと感じたもんな。

 

 

これを小学3年頃に春陽文庫版で読み返して驚いた!

こちらでは明智小五郎も小林少年も出てこない。

名前は忘れたが、乗杉隆平と、もう一人「何ちゃら」って人とのコンビで事件に挑むのである。

これがジュニア版では明智小五郎と小林少年に置き換えられてしまっているわけだ。

 

 

更に、もう少し歳を重ね、小学4年の終わりあたりか?

『フィルポッツ/赤毛のレドメイン』を読んで驚いた!

これって乱歩の『緑衣の鬼』ではないか!

 

 

後でわかった事だが、乱歩の作品にはこうした翻案物が幾つかあり、自分が大いに気に入っていた『緑衣の鬼』は、実は『フィルポッツ/赤毛のレドメイン』の乱歩による翻案ものだった‥‥って事だ。

 

 

世界ミステリ史に残る古典的傑作がベースか‥‥。

なるほど「出来」がいいはずだ(笑)。

 

 

ただ、以前もブログで書いたことがあるが、こうした乱歩の翻案物って、自分としては「オリジナルより面白い!」と思っている。

 

 

例えば『三角館の殺人』は、自分的にはオリジナルの『スカーレット/エンジェル家の殺人』よりも遥かに面白い。

『幽霊塔』は、やはりオリジナルの『灰色の女』よりも遥かに面白い。

 

 

この『緑衣の鬼』、大人になって読み返してみると「子供だまし」的な感じもするが、少なくとも子供時代の自分にとってはミステリの理想型であった。

 

 

こういうタイプの作品が読みたいんだよな。