JRと小田急の交差する某駅前で、ストリートミュージシャンを見掛けたのですが、子供相手に盛り上がっていたのは、とても微笑ましい光景でした。
小さい子供が、母親のとなりで無邪気にはしゃいでいる姿は、とてもホッコリしたのです。が、しかし、そのストリートミュージシャンの方たちは、点字ブロックの上に楽器ケース、機材、ミュージシャン本人も、座り込んで歌って盛り上っていたのです。
そこに、白い杖を持った視覚障害の女性がJR側から歩いて来たのですが、点字ブロックから退くこともなく、歌い続けていました。
その視覚障害の女性は白い杖一本を頼りに、人波にぶつかりながら、目的地に進み、ぶつかる度に、白い目で睨まれているように私には見受けられました。
道を開けてあげる優しさが、少しあればぶつからずに睨むことなく、あたたかい気持ちで、週末の夜を終わらせることが出来たのではないかと、私はそう思えて仕方ないのです。
少し前もニュースで、白い杖が足に当たったとかで、目の見えない女性を後ろから蹴りつけた事件がありました。
視覚障害の方にとっては、あの"白い杖は眼"なのです。
ただ振り回して、周囲の人を退かしているわけではなく、障害物や危険がないか確かめながら進む方法なんですよ。
そして、点字ブロックは案内標識です。
周囲の人が、少し優しさをもって道をあける、点字ブロックの上に、物を置かない座らない、たったそれだけの行為で、安心して街を歩ける人がいるのです。