クリスマスも終わり、あとはお正月


今年は恐らく、病院で年を越す事になりそう


てゆうか、もう、そうする事が無難


後悔だけはしたくないから




昨日のクリスマス、久しぶりの緊急ドクターコール


午後から病室で、のんびり音楽を聴いていたら


突然バイタルモニターのアラームが鳴り響き


慌てて見ると、サチュレーションが突然下がり始めた


何の前触れも無く、本当に突然


頭の中のスイッチを、冷静に冷静に切り替えた


酸素を5リットルとりあえず流し


呼吸に合わせて胸がちゃんと膨らんでいるかを確認


そうこうしてる内に、ナースステーションでモニターを感知し


看護師さんが飛んでくる


酸素5リットルも流しているのに


サチュレーションがどんどん下がり


70を切り、69…68…67…




「あかん、先生呼ぼう!」



看護師さんが、ピッチでドクターコール


その間に私は呼吸器を外し、アンビューバックをカニューレに装着


あの夏の日、緊急時の救命処置や対処方を何度も訓練させられた


ひたすら記憶をたどる


冷静に1、2、3っと数字を数えながら


両手で何度も換気を繰り返す


しかし胸が膨らまない!なんで、なんで(T_T)


焦る、いや、冷静にならな!




そしてやっと先生が来た


あの長い入院生活で日々お世話になり


何度も何度も命の危機を救ってくれて


正斗の事を良く知ってくれてるドクターがたまたま近くにいて


飛んできてくれた


これまた強運だった




私と同世代なのに、ドクターとしての貫禄が素晴らしく


尊敬出来る先生の1人



とっさの判断で、正斗君の身体の向きを変えて!と指示され


アンビューバックを先生と交代し


右肺を高く寝かせていたのを左肺に体位変換


と、間一髪でサチュレーションが戻り始める







一体何が起こったのか、頭が真っ白






結局レントゲンを再度撮り


結果からは肺炎を起こしかけていて


左の肺から気管支に繋がる部分が


痰でほとんど埋め尽くされ、閉塞しかかっていた


それを先生は予測し、とっさに左肺を高く持ち上げた事で


詰まりかけていた痰が重力で下がってくれたのだ


寝たきりの子によく起こりがちな事態


ちゃんと勉強したつもりでいたのに


いざという時、何にも頭が回らなかった私


情けなかった




正斗、それでずっと辛かったんだね


バイタルがずっと安定せずにいたのも


数字で必死に訴えてたんだよね


一番近くにいる私が、気付いてあげれなかった


病院にいるってだけで、安心しきってて


完全に油断してた


採血のCRPなど炎症を表す値は


後になって遅れて出てくる場合が多いから


毎日採血していても、肺炎に気付くのが遅くなってしまったのだ


早速、抗生剤の点滴開始




健康な子が肺炎になるのと、正斗が肺炎になるのでは


本当に大きな違いで、正斗の場合は一歩間違えれば


恐れている事態が本当に起こるかもしれないし


何より今回も、先生のとっさの判断が幸いした




もう、感謝してもしきれない





何度、助けられたか分からない


今は、先生の顔を見るだけで涙が出てくる





また新たな戦いが、再び始まる


正斗は、驚異的な回復力の持ち主だから


きっと、また復活するハズ!


抗生剤のおかげか、すでに昨日よりは少し落ち着いてる気がする



気がする、だけは当てにならないけど


いや、私の勘は絶対当たる!




自分を、正斗を、信じます




負けないパンチ!