正斗が眠り王子になってから、今日で6ヶ月


1年の半分、眠っている事になるんだなぁと


朝から物思いにふけっています


以前紹介した、有里ちゃんの本より


どうしても抜粋したい文面があって


障がいある子を育てるすべてのママさん達へ


伝えたい想いで、綴ります↓







***


有里が入院中、特製のピンクストレッチャーに乗り
病院の中を歩いてまわりました


病室では、娘はシッカリと守られていたものの
一歩外へ出るという事は
冷たい風にもさらされるという事でした


初めて病棟の外に出た日、とても悲しい事に直面したのです


呼吸器をつけて眠ったままの娘は
好奇の目線、心無い声をたくさん浴びせられました



「これは、何の機械をつけているの?」

「かわいそうに」

「あわれだね…」



いいえ!有里は私の大事な娘なのです
見世物じゃありません!!と、叫びたかった

苦しかった、切なかった


でも、娘は凛と胸を張って、「私をどうぞ見て下さい」
と言わんばかりに、得意げな顔をしていました



そんな冷たい社会の風にあたり、心身共に疲れ
落ち込んで病室に帰ってきた時の事です


同室に入院していたM君のお母さんが
元気の無い私を喫茶店に誘ってくれました


18才のM君には、生まれた時から障がいがあると聞きました

そんなM君のお母さんは
障がいある子どもを育てた経験を通して感じた事を
精いっぱいの優しい気持ちをこめて話してくれました



「息子は宿命をもち、意味があって生まれてきた、我が家の宝物なの」

と、まわりの冷たい視線を浴びても
いつも堂々と外に連れて歩いたそうです


栄養液を注入する為に鼻からチューブが入っていて
駆け寄ってきた同じ年くらいの男の子に


「これ、なーに?」


と指でさされ、聞かれたそうです


答えてあげようとした時
遠くから血相を変えて走り寄って来たその子のお母さんが
見てはいけないモノでも見た様に



「ダメよ!見ちゃ……」



と言って振り返りもしないで去って行ったそうです


この様に、心無い声が聞こえてきたら


「あんなふうに言う人がかわいそう」
と思い


時に、振り向きざまに指をさされたら


「その指は自分に向いているよ、気をつけなさいよ」
と思う事にしたそうです


淡々と語るM君ママの姿を見て、私も腹をくくりました

今まで、人に言えない大変な苦労もあったでしょうに

そんな事を感じさせない、とても優しく明るい
肝っ玉母さんなのです



「有里ちゃんだって、意味があって生まれてきたのよ
お金を払っても教えてもらえない様な
命の大切さ、尊さを教えてくれたのよ
そんな立派な子どもが他にいる?

キラキラと輝き続けている、たった1つの宝物を
どんどん自慢しなさい!

どうぞご覧ください、見てくださいな!って

胸を張っていなさいよ」



その頃、周囲の言葉や態度に
私はとても感情的で過敏になっていました

私も、強さと明るさを兼ね備えたお母さんになりたい
と、前向きに、そして堂々と胸を張って
宝物の有里を自慢しながら生きていく覚悟が出来ました

そんな大事な事を教えてくれたM君と、お母さん
この出逢いに、感謝です


***







長くなりましたが、正斗の母親として


障がいある我が子を、わずか4年間ではあるものの


育てた1人の親として


とても心に響いた文章でした



今年も後1ヶ月…



どうか、無事に年を越せます様にクローバー