去年引っ越す前の家の庭に

手作りの竹馬を置いてあった。


その竹馬の筒の中に

蜂の巣を見つけた。


それはまだ

つくりはじめたばかりの

小さなものだった。


巣を出入りする

蜂を見つめながら

この竹の中なら

敵にも気づかれることなく

卵を護れると思ったのかな…。

と感じた。


引っ越してきた

家の庭にも

先日つくりかけの

小さな蜂の巣を見つけた。


それは物干しのすぐ近くだった。


ここなら安全に

暮らせると思ったんだろうな…。

壁の内側になるから

外からは見つかりにくいだろうし…。


蜂がここを選んで巣をつくった

思いを知りながら

私は蜂の巣を撤去した。


蜂は私に何もしていない。


けれど

私にも

蜂と同じ様に

護りたい存在がいる。


蜂も私も

“護りたい”

という思いは一緒だっのだと気づいた。


一緒なのは

人間だけじゃなかった。