いつからなのか

誰にも弱音を吐くことができなくなっていた。



弱い所を見せることがこわかった。



心の中にはいつも

大きな不安があった。



そんな自分のことを

初めて人に話すことができた。



彼女は


『くみさんはいつも前向きだから

不安なんて無いのかと思っていました。』


と言った。



本当はずっと前向きのふりをしていた。



心が強いふりをしていた。



誰かの前で仮面を被って

笑顔を見せることが得意だった。



不安に思っている内容を話終わると

彼女が泣き始めたから


『どうしたの?』


と尋ねると


『くみさんの話を聞いていたら

私の中にも同じように

不安があることに気づきました。』


と話してくれた。



誰かに弱い自分を見せることが

すごくこわかったはずなのに



不安は元の場所にあるままなのに

何も変わってないのに



不安を持ったままの

私を受け入れてもらえたことに

彼女との心の距離がグンと

縮まったように感じられた。



不安を持つ自分を見せる前の

私達の関係は

どこか仮だったのかもしれない。



良い部分だけ見せ合う仲。



でも…今回自分から歩み寄ったことで

関係を深められたように感じる。



きっとそれを

彼女も同じ温度で感じてくれたんだと思う。