陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝 | アスペル山ちゃんのブログ

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明治45年生まれで30年前に亡くなった母の口癖に「陰徳を積め」があり、「江戸の敵討を長崎で討つな❗」と同様に長く記憶に留まっています。

本書は題名で母を思い出させてくれる安田善次郎の伝記本で、近々一万円札の肖像画に採用されてNHKのドラマの主人公としても脚光を浴びた澁澤榮一翁と対比される存在である善次郎、吝嗇やドケチ等々の誤った認識を払拭させてくれました。


越中富山の出身で江戸に出て両替商を開業、第三国立銀行、安田銀行(富士銀行の前身、みずほフィナンシャルグループ)、損保ジャパン、安田生命等々を設立し、明治政府からも金融王として頼りされ、色々な公職にも就任します。日本銀行の役員等々~

読み進んでいくと、「安田銀行の行員の山中清兵衛」の記載を見て唖然としました。実は祖父が大正四年の書店創業の折、開店資金を用立てて下さった方と同姓同名だったからで、祖父が世話を受けた方は亀清両替店の山中清兵衞氏、多分行員が独立された同一人物だと思われます。👀


文中には山梨出身の鉄道王である雨宮敬次郎氏が登場しますが、最近の黒田日銀総裁の後任として一時有力視されていたにも拘わらず辞退された雨宮正佳副総裁(高校の後輩)は敬次郎氏の末裔にあたるそうです。


善次郎が同郷の浅野総一郎氏に対しては、この本の章として取り上げられ様に全面的にバックアップを惜しみませんでした。
それは、鶴見沖の大規模埋立工事にも表れていて、現在の鶴見線の駅名にも確認出来るのです。
浅野駅と隣駅が安善駅(安田善次郎に由来)


澁澤榮一に比べて注目が薄かった安田善次郎ですが、現在のみずほフィナンシャルグループに着目すると長い時を経て両氏の銀行が合体した様に感じます。👌🙆

「陰徳を積む  銀行王・安田善次郎」
北康利著   新潮社刊    定価本体1,800円
ISBN978-4-10-326011-0