一時退院したばかりの、今こうして目の前にいる母を見ていると
ちょっと食欲ないかな?体力落ちたかな?くらいで…
あとは普通なんだよ、いつも通り
陽気に喋って笑って
たまに父の愚痴を冗談混じりに言って
元気にしているんだ
だからね、頭ではわかっている
でもどうしても信じたくない自分がいて
母は本当に病気なのか?
まだまだずーっと生きられるんじゃないか?
そんなことばかり考えてしまう。
今のところ母の病名は家族以外に告げていない
同情されたくない、とかじゃない
あぁ、死ぬんだね
って思われるからだ
かわいそうに、まではいいけど
そんなに長くないって思われるから。
帰り際に母がガサゴソと袋から出してきた
真新しいピンク色のカーディガン
「次の入院する時に持っていこうと思って買ったら、サイズ間違えちゃったのよ〜。もったいないから着ない?」
おいおい、お母さん…
いかにも古めかしいデザインの
しかもピンク色のカーディガン…
正直、げげッと思ったが
しゃあない、家の中で着るか‼︎
と、貰ってきた次第。
こんなに元気なのに、また入院してしまうのか
面会もできない毎日がまたやってくる。