第55トランプ銃撃 ヘイトで溢れるSNS (令和6年7月15日)

 

 トランプが撃たれたが、

 助かって良かった。

 しかし死者と怪我人が出た。

 心よりご冥福と回復を祈る。

 

■□—SSのカバーは早かった!--□■

 銃撃があった次の瞬間、

 シークレット・サービス(SS)が、

 トランプに覆いかぶさった。

 自身の危険を乗り越える意思を持っている。

 あれは訓練された者達の行動だ。

 

 安倍さんの時、

 日本のSPにもそうして欲しかった。

 トランプの事件を見て、あらためてそう思う。

 

■□—イーロン・マスクの怒り--□■

 

 それでも警備の責任を問う声が上がっている。

 イーロン・マスク氏の厳しい指摘を

 NYポスト紙の記事は次のように伝える。

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 “Extreme incompetence or it was deliberate,” Musk wrote. “Either way, the SS leadership must resign.”

「極度の無能さか、あるいは意図的だったかだ」

「いずれにせよ、SSの指導者は辞任しなければならない」

 

 マスク氏はまた、狙撃兵を阻止しなかったシークレットサービスを非難し、質問したジャック・ポソビエック氏のツイートを再投稿した。

 

 “How was a sniper with a full rifle kit allowed to bear crawl onto the closest roof to a presidential nominee?”

「ライフルを持ったフル装備の狙撃兵が、大統領候補に最も近い屋根に這い登ることがどうして許されたのか?」

 

 マスク氏の厳しい指摘は、SSの長官にも及ぶ

 

 He took aim at the director of the Secret Service, Kimberly Cheatle, reposting a tweet containing her online biography that indicated her prior job before taking over the Secret Service was senior director at PepsiCo.

 彼(マスク氏)はシークレットサービスのキンバリー・チートルに狙いを定め、SSを引き継ぐ前の彼女の前職がペプシコのシニアディレクターであったことを示す彼女の経歴を含むツイートをオンライン上に再投稿した。

 

 “So before being put in charge of protecting the PRESIDENT, she was guarding bags of Cheetos …” Musk wrote.

「大統領の警護を任される前、彼女はチートスの袋を守っていた......」と。

チートス

< Cheetosとはペプシコの出すスナック菓子の「チートス」のことであり、マスク氏は、それを作っていた人間が「どうして大統領の警護責任者になってるんだ」と言いたいのである。>

 

< 世の中では、他業種から経営者を招くことが時々あるが、アメリカ政府は、献金額や寄付額の大きな企業から幹部を多く採用する。しかし、米大統領のシークレットサービスといえば、世界でもトップクラスの警護組織であり、警護官は常に危険と隣り合わせである。その組織のトップに、スナック菓子を作っている会社の人間を据えるのは、さすがにオカシクないかと言いたくなるのは、マスク氏だけではないだろう。>

 

(Published July 13, 2024, 11:24 p.m. ET Elon Musk goes all in for Trump after Pa. rally shooting: ‘I fully endorse President Trump’)

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■□—アメリカのSNSに溢れるヘイト--□■

 

 さて、今回の社説もトランプ銃撃である。

 

 2024年7月13日NYポスト紙社説

【Leftist hate rules social media after Trump assassination attempt】

 ==トランプ暗殺未遂事件後、ソーシャルメディアは左翼のヘイトで溢れる==

 

 同社説の書き出しはこうだ。

 

 Not moments after someone tried to assassinate Donald Trump, the trending topic on X was, disgustingly, “they missed” and “how did they miss.”

 誰かがドナルド・トランプを暗殺しようとした直後、Xのトレンドトピックは、うんざりするほど、「彼らは失敗した」、「彼らはどうやって失敗したのか 」だった。

 

 Just how depraved do you have to be to sink that low?

 どこまで堕落すれば、そこまで落ちぶれることができるのか?

 

< トランプ嫌いの連中も酷い。安倍さんの時にも酷い書き込みがあったことを考えれば、極左には、洋の東西を問わず、野蛮な奴らがかなり居ることが分かる。>

 

 社説は続く。

 

 There have been plenty of examples of division in our history, and no, you don’t need to go all the way back to the Civil War to find them — many Americans are still around who personally witnessed the political turmoil and political killings of the 1960s.

 南北戦争まで遡る必要はない。1960年代の政治的混乱や政治的殺戮を個人的に目撃したアメリカ人は、今でも大勢いる。

 

< 日本でも1960年代、70年代に全学連などの暴徒が暴れ回り、人の頭に平気でブロックやレンガを落とし、角棒でぶん殴っていた。その後の浅間山荘事件や極左団体同士の惨たらしい人殺しを思い出してしまう。>

 

 But today feels so uncivilized, so sad.

 しかし、今日はとても野蛮で、とても悲しい。

 

< 本当にそうだ。安倍さんの時にも「野蛮」がSNSのあちこちに溢れていて、悲しくなったことを思い出す。>

 

■□--「野蛮」の社説事例--□■

 

 あまり気乗りしなかったが、日本語の「野蛮」と、先ほどの”uncivilized”を社説のデータベースで検索してみた。それぞれ1件だけ紹介する。

 

1.「野蛮」と訳された事例

 

 2012年2月8日 ワシントン・ポスト紙

 【 The U.S. must do more for Guatemala over STD study】

==人体実験の犠牲者に公正な補償を==

 

 IN THE FALL of 2010, the Obama administration acknowledged a shocking truth: From 1946 through 1948, officials working in Guatemala for the U.S. Public Health Service conducted tests on some 5,100 unwitting individuals and deliberately infected at least 1,300 with sexually transmitted diseases. None of the victims - who included prisoners, soldiers, the mentally ill and commercial sex workers - consented to this barbaric treatment. At least 83 people died, and many suffered permanent damage.

 2010 年秋、オバマ政権はショッキングな事実を認めた。1946 年から 1948 年にかけて、グアテマラで米国公衆衛生局の職員が、何も知らされていない 5,100 人ほどの人々に人体実験を実施し、少なくとも 1,300 人に性病を故意に感染させたのだ。囚人、兵士、精神病患者や売春婦など犠牲者の誰も、この野蛮な処置に同意していなかった少なくとも 83 人が死亡し、多くの人が永久的な障害を負った。(共同通信の「海外論説速報」にも「野蛮」と訳されている。)

 

< これは、長い間、隠されてきたことが隠しおおせなくなって、やっと認めたものである。これは人種差別の疑いが濃厚で、本当に酷い人体実験だった。>

 

< しかし、日本ではもっと酷いことが法律によって行われた事例があった。旧優生保護法による強制赴任手術であり、最高裁が憲法違反だとの判断を示したのは、つい7月3日のことだ。>

 

< これは、大手メディアがほとんど報じないが、当時の社会党が強く法制化を進めたものであり、2018年に当時の社民党党首が謝罪している。探せば多数の記事が出てくるが、1例を引用。【毎日新聞20180222「強制不妊手術 社民党首が謝罪 旧社会党県議が手術推進で」「社民党の吉田忠智党首は22日の記者会見で、旧優生保護法下で障害者らが不妊手術を強制された問題で、宮城県が旧社会党系県議の求めに応じる形で手術件数を急増させていたことに関し「社会党時代のこととはいえ、人権意識の不十分さがあったことは極めて遺憾。関係者の尊厳を傷つけ、多くの痛みと苦しみを与えてきた深刻…」(有料記事のため、途中まで)>   

https://mainichi.jp/articles/20180223/k00/00m/040/041000c

 

2.Uncivilezed

 

 2011年11月14日 ニューヨーク・タイムズ紙

 【 The Torture Candidates 】

   ==拷問候補者たち==

 

 911テロの後、テロの容疑者たちに対し、アメリカはグアンタナモ基地で容赦のない拷問を加えてきたとされる。

 それをNYタイムズは「ブッシュ前政権の倫理観の退廃」と書き、共和党がそれを止めないことを批判している。

 そんな社説の一文を引用する。

 

 Representative Ron Paul said waterboarding is not only torture, it is illegal, immoral, uncivilized and has no practical advantages.

 ロン・ポール氏は、水責めは拷問であるだけではなく、違法、不道徳、野蛮で、実際的な効果がないと述べた。

 

 Former Gov. Jon Huntsman Jr. eloquently pointed out that waterboarding and other forms of torture diminish the nation's standing in the world.

 またジョン・ハンツマン氏は、水責めや他の形態の拷問は米国の国際的な評価を下げると指摘した。

 

< 水責めはアメリカの得意技らしい。フィリピンを占領した時、逆らったフィリピン人に大量の水を飲ませ、仰向けに寝かせて、その腹の上に飛び乗ったという。想像するとぞっとする。日本でも江戸時代には、石を抱かせる拷問があったが、もちろん今はない。しかし、世界には手首を切り落とすなどの刑罰を持つ国々がある。それらはいつかなくなるのだろうか? ただ、日本の死刑は残すべきというのは私の持論です。>

 

 

では、今回はこの辺で。

 

(注)このブログの内容を使った結果について、管理人は一切の責任を負いませんので、自己責任でお願いします。