第51回 ガザに飢餓はない There is No Gaza famine(令和6年6月27日)

 

■「ガザの飢餓」が報じられている。

「ガザに飢餓はない」という報道がある

 いったい、どういうこと?

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 イスラエルのハマス討伐戦争が終盤のようだ。

 しかし、パレスチナ住民は引き続き、酷い状況下にある。

 

◆ガザについてのイメージ 

・ハマスとイスラエルの戦いがそろそろ終了

・多くのパレスチナ人が被災

・食料や支援物質が不足

多くの人が飢餓状態

 

◆しかし、ニューヨーク・ポスト紙の次の社説を読んで驚いた。

 2024年6月20日

There is no Gaza famine, so why is the pro-Hamas media silent about this great news?】

==ガザには飢餓などない。それなのに、なぜ親ハマス派のメディアはこの素晴らしいニュースに沈黙しているのか==

 

 どういうことなのか?

 社説の最初には、鍋を持って炊き出しを受け取っている女性たちの写真(著作権で出せない)の説明がある。

 

 Palestinians receiving food cooked by a charity kitchen in Khan Younis on June 19, 2024.

 カーン・ユーニスでチャリティー・キッチンが調理した料理を受け取るパレスチナ人女性たち。

 

◆社説の本文を一部、引用してみる。

 

 Gaza’s supposed famine never happened. It was never more than Hamas propaganda eagerly consumed by the left, the media and the clueless Biden administration.

 ガザの飢餓は起こらなかった。それは、左翼やメディア、そして無知なバイデン政権が熱心に利用したハマスのプロパガンダに過ぎなかった

 

 The chief UN food-insecurity agency announced this month that it finds the analysis suggesting a famine was on the way wasn’t “plausible” and lacked “supporting evidence.”

 国連の食糧安全保障機関は今月、飢餓近づいていることを示唆する分析は「もっともらしく」なく、「裏付けとなる証拠」を欠いていると発表した。

 

 社説は続ける。

 

 「飢餓早期警報システム(USAID)の数字はまったくデタラメだったことが判明した。その分析では民間部門による食糧配給がすべて除外され、世界食糧計画からの援助の大部分も除外されていたのだ。」

 

 「(分析では)ガザの人々の1日のカロリー必要量の半分以下しか満たされていないとされているが、実際には必要量の157%が満たされていることが示されている。」(※末尾に国連報告書のURL)

 

< ホントか? 157%じゃ、不足なんてないことになるぞ。>

 

==== 国連の報告書を引用してみよう(該当部分のみ)====

 (※)報告書のURLは末尾に掲載)

 

 While FEWS NET estimated the caloric availability in the area as covering only 59- 63% of the needs (based uniquely on Humanitarian Food Assistance) in April, the review done by the FRC estimates that this range would be 75% to 109% if commercial and/or privately contracted food deliveries were included (157% if a higher estimate was used6 ).

 

 FEWS NET は、4 月のこの地域のカロリー供給量は必要量の 59% から 63% しかカバーしていないと推定しましたが (人道食糧支援のみに基づく)、FRC によるレビューでは、商業および/または民間契約による食糧配達を含めると、この範囲は 75% から 109% になると推定しています (より高い推定値を使用した場合は 157%)。

(参考)(FEWS NET)The Famine Early Warning Systems Network 飢餓早期警報システムネットワーク、( FRC )Famine Review Committee飢餓対策委員会

 

==== ホントに書いてあった!(笑)(引用終了)====

 

 社説に戻る。

 

 「飢餓が全く問題ではないとか、人々が食料を得るのに苦労していないという意味ではない。」

 「結局のところ、ここは戦場であり、ハマスは日常的に救援物資を独占して自らの私的備蓄を賄っているのだ。」

 

< なるほど、報告書では、食料は半分しか供給されていないという分析があるが、実際には必要量の157%も届いていることが分かったというのである。そして、人々が食料に苦労していないということではなく、ガザでは、ハマスが日常的に食料をピンハネしていると社説は指摘している。>

 

< イスラムの専門家である飯山陽さんによると、ハマスの大幹部は、UAEかどこかの高級ホテルに住んでいて、数億ドルか数十億ドルか忘れたが、莫大な私財を持っているという。つまり、国際的な支援は、今までもハマスによって盛大に横領されていたようだ。ハマスは、要するに大々的な「貧困ビジネス」をやっているということか。日本にもそういう連中がいる。ずっと小物だけど。>

 

 Not that you’d know the famine threat is fake from the resounding silence in the media or among the self-appointed Twitter martyrs for the Palestinian cause. Where are the cheers and sighs of relief from the Times?

 メディアや自称ツイッターのパレスチナ人殉教者たちの沈黙を見れば、飢餓の脅威が捏造であることがわかるだろう。ニューヨーク・タイムズ紙の歓声や安堵のため息はどこにあるのだろうか?

 

< 筆者がネットで検索した限りでは、ニューヨーク・タイムズ紙には、ハマスの横領や窃盗に関する記事は見当たらなかった。>

 

 Which raises the question of why the USAID-backed network cooked the books to suggest famine was coming. 

 すると、USAID が支援するネットワークが、なぜ帳簿を改ざんして飢餓が迫っていると示唆したのかという疑問が生じる。

 

 And of why so many “news” organizations swallowed it hook, line and sinker.

 そして、なぜ多くの 「報道」機関がそれを鵜呑みにしたのか。

(参考)swallow 吞み込む、信じる hook, line and sinker 何もかも、完全に

 

 It’s rank media bias: An “honest mistake” by reporters and editors eager to paint the Jewish state as monstrous, to buy propaganda slamming Israel’s allegedly cruel restriction of food-aid entry into Gaza.

 原因はメディアの偏向報道だ: ガザへの食糧援助入国を残酷に制限しているとされるイスラエルを非難するプロパガンダを買うために、ユダヤ国家を怪物として描こうと熱心になっている記者や編集者による「正直な間違い」である。

 

 Again, any such blockage of food aid was thanks to theft by Hamas.

 繰り返すが、このような食糧援助の妨害は、ハマスによる窃盗のおかげである

 

(ハマスの窃盗に関する関連記事)

https://nypost.com/2024/05/25/opinion/looting-of-pier-aid-shows-whos-at-fault-for-gazan-misery/

 

https://www.thefp.com/p/israel-is-not-equivalent-to-hamas ( The Free Press )

 

 

(※)念のため、国連の報告書の表紙。

ガザIPC

 これは公開資料なので、興味のある方は下のURLから。

https://www.ipcinfo.org/fileadmin/user_upload/ipcinfo/docs/documents/IPC_Famine_Review_Committee_Report_FEWS_NET_Gaza_4June2024.pdf

 

< この報告書全体をHamasで検索してみたが、ハマスのハの字もない。Israelも資料の名称などで出てくるだけで、本文には両方とも登場しない。ざっと読んだだけだが、ガザの生々しい現実を主人公なしで書こうとしているような感じを受けた。料理で言えば、ダシもないし、塩気もない。無味無臭。国連の中立の立場だけに気を使ったのかも知れない。>

 

< なお、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関)には、ハマスに通じていたという疑惑があり、中立性には大いに疑問がある。また、例えばWHOについても、新型コロナの流行が中国の武漢で始まった時、そのトップの動きは中国寄りとしか見えなかった。国連や国際機関への信用は、今やかなり低下したといって差し支えないだろう。>

 

< 世界のメディアも、例えばアメリカを見ると、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの大手は明確に民主党寄りであり、彼らに不都合なニュースは流さないか小さな扱いの場合が目立つ。信用の低下は、こちらも顕著だと思う。>

 

< ニューヨーク・タイムズと朝日新聞は、日本を貶める記事が得意に見えるが、2018年には連携90周年の記念シンポジウムがあったそうな。仲の良いことでけっこうだが、同類相哀れむとか、朱に交われば赤くなるとか(笑)、いろんな言葉が頭に浮かぶ。>

 

< 筆者は市井の一庶民だが、できるだけ公平・公正に社会を見たいと願っているし、心がけている。ガザや中東に関しても同様だ。パレスチナとイスラエルの人々に早く平穏な日々が訪れますように。>

 

 

では、今回はこの辺で。

 

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