第49回  社説にもダジャレ! $pend it wi$ely! (令和6年6月15日)

 

◆新聞のタイトルには「ダジャレ」というか「語呂合わせ」や「韻を踏む」表現、または「見た目」や「字面」を合わせたシャレを時々見ることがある。

 中でもスポーツ新聞には「名人芸や!」と叫びたい(笑)傑作もたまに現れる(笑)

 

 ブログのプロフィールにも書いたが、筆者はダジャレ好きである(笑)

 具体的には忘れてしまったが、小学生の頃、先生の質問にダジャレ入りの答えを返し、ゲンコツをくらったこともある(泣)

 自分が教師なら、花丸をつけただろうに(笑)

 

 そんな私は、英字紙でそれを発見するとなぜか小躍りしてしまう(笑)。

 

 ダジャレ好きは男性に多く女性には少ないと言われることがあるが、いやいや、こっち寄りの女性もけっこう知っている。

 東京都知事の小池百合子さんもその一人ではないか。

 防衛大臣の時、アメリカのライス国務長官に「あなたがライスだから、私をマダム「スシ」と呼んで欲しい」と言ったのは記憶に残っている。

 笑いは取ったが、笑いのレベルはその場にふさわしかったのか?(笑)

 

 さて、英語の世界では「S」の代わりに「$」(ドル)を使う例はたまに見かける。これは「見た目」が似た文字を使った一種のダジャレだが、社説のタイトルに使われたのを見たのは初めてなので、何の役にも立たないとは思うが(笑)、紹介して記録にしておきたい。(←無用ノ介)

 タイトルはダジャレだが、内容は財政に関する真面目なもの(笑)。

 新聞もアメリカの老舗の一つである。

 

◆2000年1月27日 ボストン・グローブ紙 社説

【 $pend it wi$ely 】==おカネは賢く使おう==

 元は、もちろんSpend it wisely である。

 

 Spendを含む箇所の一部を私の<斜説>付きで(笑)引用してみる。

 

 The Congessional Budget Office, wellknown for its caution on fiscal matters, has predicted a federal budget surplus of as much as $1.9 trillion over the next 10 years. The announcement has heated up debate about how to use the surplus - in tax cuts, additional spending, or paying down the national debt. Before euphoria sweeps through the political world, certain important factors ought to be remembered.

 財政問題に慎重なことで知られる議会予算局は、今後10年間で連邦予算の黒字が1.9兆億ドルにも達すると予測した。この発表を受けて、減税、追加支出、国債の返済など、黒字の使い道に関する議論が白熱している。政界を熱狂の渦に巻き込む前に、いくつかの重要な要素を思い出す必要がある。

 

< アメリカの議会予算局は強力であるが、日本の国会事務局のそれはまったく貧弱で、政府の予算編成部局、つまり財務省が圧倒的に強い。そのため、国会と政府との力のバランスは日米でかなり違う。もちろん、日本の国会の力は弱く、財務省主導である。>

 

 Reducing the national debt helps by lowering federal interest costs, allowing support for other programs. Perhaps more important, it makes future deficit spending to stimulate the economy in sluggish times more palatable.

 国の債務(国債)を削減すると連邦金利コストが下がり、他のプログラムへの支援を可能にする。 おそらくもっと重要なことは、不況の時期に経済を刺激するための将来の赤字支出がより受け入れやすくなるということだ。

 < この部分の主張は「ちょっと何を言ってるか分からない」(笑)。国の債務(国債発行額)を減らすと金利コストが下がる、逆に言うと、「国債の発行を増やすと金利コストが上がる」という主張があるが、少なくとも日本では根拠がない。次のグラフで明確だが、日本では、いわゆる国の借金(政府の長期債務)がどんどん増えても金利はどんどん下がるという時代が長く続いたという実績があるからだ。本当はアメリカも仕組み的に同じだと思う。>

 

グラフ【日本政府の長期債務残高と長期金利の推移

グラフ【日本政府の長期債務残高と長期金利の推移】

 このグラフは、三橋貴明氏のサイトからお借りした。

 http://mtdata.jp/20230414-1.jpg

 

< これは、もっと多くの人に知って欲しいデータだ。債務というか国債の発行残高がこんなに増えても、それだけでは金利が高くなることはない。金利が高くなるのは、基本的に、需要が過熱して銀行借り入れが増大してインフレが進んだ(あるいは進み過ぎる)時である。金利を上げるのは、基本的に需要を冷やそうとする時の政策なのである。>

 

< 今、物価がどんどん上がっている。その中で、日銀は金利を上げ、国債の買い入れを減らそうとしているが、これは需要を冷やす政策、つまりインフレ対策である。そして、物価上昇の理由は、エネルギーや輸入物価の値上がりなどのコストプッシュであり、品不足や人手不足という供給不足が原因である。>

< 一方で、実質賃金が下がり続けて国民の手取りは減り続けているのである。だから国内の需要は増えず、未だにデフレから脱出しきれていないと言われる状況である。そんな時にインフレ対策をやる理由があるのか? 日銀と財務省がやるべきなのはデフレ対策だ。>

 

 The choices are not simple, and politicians may treat them like a buffet by sampling a bit from each dish. The most important consideration is to avoid overeating.

 選択肢は単純ではないので、政治家はビュッフェのように各料理を少しずつ試食するように扱うかもしれない。最も重要なことは、食べ過ぎを避けることである。

 

< 先日、ホテルの朝食ビュッフェが豪華だったが、食べ過ぎを避けるために我慢の子を貫いた。辛かった(泣)。それを思い出して、この部分を赤マークした(笑)。>

 

(おまけ)This story ran on page A20 of the Boston Globe on 1/27/2000.

 この記事は、2000 年 1 月 27 日にボストン グローブ紙の A20 ページに掲載されました。

 

< このような記載があるということは、新聞社の過去のアーカイブから入手したデータかもしれない。>

 

◆【おまけ2】(笑)

 

 本文にSave it wisely のwiselyが使われてなかったので、ネットで探してみたら、をこれでもかと使った実例を見つけたので引用する。

 

 $ave that dollar we $ent you $o you can $pend it wi$ely. our new $1 Your Way Value Menu coming 12/28…

 私たちがあなたに送ったお金を節約して、賢くお使いください。 新しい $1 Your Way バリュー メニューが 12 月 28 日に登場します

 

    https://x.com/BurgerKing/status/1341171229210914817

 アメリカの大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」のCMである。

 

 

では、今回はこの辺で。

 

(注)このブログの内容を使った結果について、管理人は一切の責任を負いませんので、自己責任でお願いします。