第43回 祝新幹線敦賀開通!もっと延伸を! (時事)(令和6年3月23日)

 

 北陸新幹線が敦賀まで開通!

 おめでとうございます。

 大地震の後だけになおさら嬉しい。

 

【前半】日本海側にバックアップを

【後半】shinkansenに触れた一本の社説

    Unforgiven=許されざる者、日本

 

 次は大阪までの延伸と

 同時に、日本海側を通って

 下関まで延伸して欲しい

 

 南海トラフ大地震が来たら

 太平洋から瀬戸内までも

 巨大な被害が予想される

 

 新幹線は、敦賀から西へ

 下関まで通しておこう

 高速道路もそうだ

 日本海側と太平洋側で

 相互のバックアップが必要だ

 

 東北の日本海側と北海道も同じ

 全国のインフラ整備を進めて

 東京一極から人口を分散

 地方の衰退も止められる

 

 カネはどうする?

 第38回に国債のことを書いたので

 ご参照ください

 

【 後 半 】

 さて、shinkansenを社説のデータベースで

検索したところ

 ヒットしたのは、たったの1件だけ

 社説じゃ触れないか?

 それにしても少ない

 

◆フィナンシャル・タイムズの2004年3月25日付

 ちょうど20年前のもの

 

 見出しはUnforgiven】 許されざる者

 で、それは日本のこと

 

 内容は日中関係のことで、大意は

 

 日本の小泉首相と中国の胡錦涛主席は共に1942年生まれ。当時の日中関係はというと、日本企業が最近まで中国への投資に消極的であったこと、あるいは日本の新幹線の建設に消極的だった。両国政府は互いの軽蔑、憎しみ、復讐の連鎖を断ち切るべき。そうすれば、両国民と両国の経済は大きな恩恵を受けるだろう、

というところか。

 

< まあ、主席の江沢民が1998年に来日し、偉そうな御託を並べて日本人に嫌われた。そして日本では2001年8月13日に小泉首相が靖国参拝し、日中関係は悪化していた。ただ、「政冷経熱」と言われて経済交流は次第に盛んになってきていた。>

 

 ということで、社説の一部を抜き出してみる。

 

 Once feared by Japanese business as a cut-throat economic competitor, China is suddenly the land of opportunity for commerce and investment: last year Japanese exports to China rose by a third. China has now surpassed the US as Japan's biggest trade partner.

 かつては熾烈な経済競争相手として日本企業に恐れられていた中国だが、いまや商業と投資のチャンスの国となっている。昨年、日本の対中輸出は3分の1増加し、中国は今やアメリカを抜いて日本の最大の貿易相手国となった。

 (参考)cut-throat 残酷な、熾烈な surpass 上回る、抜く

 

< 日本の経済界は次第に中国に引き付けられ、国交回復時1978年には5倍近かった日中の名目GDPの差は、この社説の書かれた2004年には、2.5倍程度に縮まってきていた。その後に逆転されたのはご承知のとおり。>

 

 Sadly, the awkward relations between Beijing and Tokyo in no way resemble the well-established dialogue between Berlin and Paris.

 悲しいかな、北京と東京のギクシャクした関係は、ベルリンとパリの間に確立された対話とは似ても似つかない。

(参考)well-established (企業などが)しっかりした基盤を持つ、(経営などが)安定した、(地位、技術などが)確立された

 

< 社説はさらに、ギクシャクした関係の理由は、エネルギーを輸入に依存する両国が資源をめぐって熾烈な競争をしていることだと言う。そして、シベリアから計画されている石油パイプラインのルートをめぐる最近の闘争で日本が勝利したようだったことが今週明らかになったと書いてある。>

 

 Tokyo has persuaded Moscow to extend the line to the port of Nakhodka on the Sea of Japan at a cost of up to $10bn, rather than use the shorter and cheaper route to Daqing in northern China.

 日本政府は、中国北部の大慶までのより短くて安価なルートを使用するのではなく、最大100億ドルをかけて日本海側のナホトカ港まで路線を延長するようモスクワを説得した。

 (参考)persuade 説得して~させる

 

< 日本は石油パイプラインを、中国からの方が近くて安いのに、わざわざ遠い方のロシアルートを選んだということだ。まあ、個人的にも中国よりは、まだロシアの方が良いと思う。ただ、中国としては気分が悪いだろう。>

< ただ、関係悪化の理由は、経済よりも影響の大きいものがあると社説は言い出す。>

 

 A bigger obstacle to good relations, however, is the often intense antipathy between the Japanese and Chinese peoples, fuelled by nationalism and memories of war and barely softened by a shared cultural heritage.

 しかし、良好な関係に対するより大きな障壁は、ナショナリズムと戦争の記憶によってしばしば煽られる日本人と中国人の間の強烈な反感だ。それらは、共有される文化遺産によってほんのり和らげられるに過ぎない。

 

 < 中国が反日教育を続けてナショナリズムを煽る間は、中国人の反日感情は納まらないだろう。社説の言う「共有される文化遺産」が何かは分からないが、同じ漢字を使うところに何となく共感していた日本人はいるものの、旧日本軍の犯罪だとしていたウソが次第に国民にバレてきたことに加え、来日中国人に犯罪者が多いことと、マナーが最低な連中が多いことで、何となく親中だった人たちにも正体がバレて来た。そして、江沢民の傲慢な態度も日本人を目覚めさせる大きな原因だった。それでも、中国に取り込まれる政治家・財界人・マスコミ等が増えていったのはご承知のとおり。>

 

 The result is a stream of bad news that undermines what should be a thriving relationship: yesterday, a landing by flag-waving Chinese nationalists on a disputed island run by Japan; last year, Chinese outrage over a sex party involving hundreds of Japanese men and Chinese prostitutes at a Guangdong hotel, and over injuries from unearthing wartime chemical weapons left by Japanese forces.

 昨年は、広東省のホテルで数百人の日本人男性と中国人売春婦が参加したセックス・パーティーや、戦時中に日本軍が残した化学兵器の発掘による負傷者問題で中国人の怒りを買った。

 

< 集団で売春婦を買うことはとても褒められた話ではないが、売買春は大昔からあり、最近では日本にセックスツアーに来る中国人男がかなり多いそうだから、お互い様でもある。しかも、行為の前に日本人の売春婦に「謝罪」させるというから気の毒である。政府は歴史戦で反撃すべきである。また、化学兵器による負傷を日本軍のせいにしているが、戦後、中国に引き渡したものだから、管理は中国自身の責任である。中国に反論しなかった政府に腹が立つが、さりげなくウソ情報を広めるフィナンシャル・タイムズは危険だと思う。>

 

 In such a torrid climate - heated by decades of anti-Japanese communist propaganda in China and a refusal by Japan to apologise unreservedly for wartime atrocities - it is hardly surprising that Japanese companies have until recently been reluctant to invest in China, or that Japan's shinkansen bullet train system is the least favoured bidder for the $12.5bn rail contract to link Beijing and Shanghai.

 中国における数十年にわたる反日共産主義プロパガンダや、日本が戦時中の残虐行為について堂々と謝罪することを拒否しているため、このような苛烈な情勢が加熱している。最近まで日本企業が中国への投資に消極的であったことや、北京と上海を結ぶ125億ドルの鉄道契約において、日本の新幹線システムが最も不利な入札者となっていることは、驚くにはあたらない。

 

< やっと「shinkansen 新幹線」が出てきたが、中国の鉄道契約で日本の新幹線が最も不利だという社説の理屈が歪んでいる。中国の反日プロパガンダについて書いたのはよいが、日本が戦時中の残虐行為に謝罪を拒否していると書いている。しかし、やってないことを既成事実のように書くことこそ問題だ。フィナンシャル・タイムズは、今も昔も、いわゆる東京裁判史観というか、白人史観に立つ新聞なので、有名紙だからといって、その主張を信用するのは危険である。>

 

 Both governments must try to break this cycle of scorn, hatred and revenge. Hu Jintao, the Chinese president, and Junichiro Koizumi, prime minister of Japan, were both born in 1942. They should not find it so hard to put the bitterness of war behind them.

 両政府はこの軽蔑、憎悪、復讐の連鎖を断ち切る努力をしなければならない。中国の胡錦濤国家主席と日本の小泉純一郎首相は、ともに1942年生まれである。戦争の恨みを過去のものとすることは、それほど難しいことではないはずだ。

 

< よく言う。当事者だけの問題ではない。この新聞のように、ウソを真実のように広める連中がいなくなることも大事だと思う。 >

 

 For Mr Hu, that means condemning the anti-Japanese populism so prevalent in his party and on the internet in China. For Mr Koizumi, it means eschewing provocative visits to the Yasukuni war shrine that honours convicted war criminals as well as ordinary soldiers, and formulating a wholehearted apology of the sort Germany has managed and Japan has not.

 それは、胡錦濤氏にとっては、中国の党内やインターネット上で蔓延している反日ポピュリズムを非難することを意味する。小泉首相にとっては、戦犯や一般兵士を祀る靖国神社への挑発的な参拝を避け、ドイツが成し遂げ、日本が成し遂げられなかったような心からの謝罪を表明することである。

 

< ここにも巧妙な反日の言辞が並べられている。胡錦涛が国内の反日勢力を静かにさせるには、長年続けてきた自分の反日教育を逆転させるだけだ。靖国神社への総理参拝は、日本の内政問題であり、宗教の自由に関わるものである。何が「挑発的な参拝を避けろ」だ。多くの日本人が靖国を直視すれば、白人の世界侵略という事実が明らかになるのが嫌だからだろうが。また、いかにもドイツが反省した良い子のように言うが、ドイツはナチとドイツ人を区別しているし、反省したのはナチのユダヤ人虐待だけだ。ポーランド人を虐殺したことなど何にも反省していない。結局この社説は、欧米列強が虐殺と搾取を思いのままにしてきたアジアから日本に追い出され、アジアはそのおかげで独立したという事実を表沙汰にしたくないだけだと思う。日本は深く傷ついたが、結果的にアジアは解放され、独立の波はアフリカにも及び、アメリカの黒人差別も次第に小さくなった。日本が成し遂げられなかったことは、戦争に勝てなかったこと、それだけである。>

 

 フー、長文で失礼しました。

 海外の社説を読んでいると、巧妙に書かれた反日のウソを見つけることがあり、連中の腹黒さを知る。

 たまには、楽しい社説も紹介したいものです。

 

では、今回はこの辺で。

 

(注)このブログの内容を使った結果について、管理人は一切の責任を負いませんので、自己責任でお願いします。