BUSONI:Piano Concerto op.39 | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Gerstein, Boston Symphony, Oramo (96Khz/24bit)

1866年イタリア生まれのブゾーニ、超絶技巧のピアニストとして名を残しているが作曲家としては非常に有名なバッハ・シャコンヌピアノ編曲以外には思いつかない。ブゾーニにピアノ協奏曲があったのかと思いながら聴いていたがなかなか終わらないのでよく見てみるとなんと5つの楽章から成っており、演奏時間は1時間20分もあるではないか。おまけにフィナーレには合唱も付くという見るからに変わった作品。2楽章と4楽章はイタリア風で3楽章はドイツワーグナー風で終楽章はドイツ語合唱という具合で、やや詰め込み過ぎの感あり。

 

ブゾーニの傑作と紹介される事もあるがほんとだろうか。傑作ならもっと知られていて録音も多いはずなどと思いつつ、もっとも、ピアニストにとっては技術的にも体力的にもキツい難曲らしいのであまり演奏機会がないのかもしれない。ピアニストのゲルシュタインはこのいかにも難しそうな曲のユニークな側面をうまく表出していると思う。ピアノ協奏曲という名だが実際にはピアノとオーケストラはかなり対等の関係にありベテランのサカリ・オラモとボストン響がピアノとのバランスをうまくとってこの長いコンチェルトを引き締まったものにしている。作曲時期が1904年なのでこの時代にこのようなコンセプトの曲が出てきたことに興味を覚える。ブゾーニの先見の明かはたまた珍曲か。一度は聴いてみてもいいかもしれない。

                                                        2022-1265

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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