Justin Benavidez (Bridge) 96Khz/24bit
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チューバの第一人者。アメリカの複数のオーケストラで客員主席チューバ奏者であり且つ多くの音大で客員教授も務めているジャスティン・ベナヴィデズ。2018年にリリースした前作『emblems』はチューバという楽器の枠を越えていくつもの音楽雑誌の年間優秀アルバムに選ばれたほど評価が高かった。
なんと言ってもチューバの特徴はそのデカさ。吹いている姿を見るといかにも肉体的な負担は大きそう。管の長さは5メートル以上はあるわけで2.7メートル程度の普通のホルンの約2倍もある。また他の楽器と違う上向き放射なので、タイミングの取り方も微妙に調整するのだと思う。なかなか吹きこなすのは難しそうな楽器だ。
そういう事もありチューバの単独アルバムは余りお見かけしない。ユーフォニウムだったらまだあるのだが。ソロアルバムを出せるほどの奏者がほとんどいない中では、ベナヴィデズが飛び抜けていることは察しがつく。前作ではチューバとピアノのソナタ集だったが今回は余り聴く機会もない珍しいチューバ協奏曲を三作挑戦し、その合間にチューバ編曲したマーラーの歌曲とドビュッシーベルガマスクを挟んでいる。いつもは最低音のベースラインを主に受け持つチューバだが、ヴィルトゥオーゾの手に掛かると結構高音まで出て表現力豊かなソロ楽器に変わるというその妙技を堪能することができる。
2022-1207