選手たちは怒涛の五輪シーズンを終え、新たなスタートを切るシーズンとなりました。デニスの新シーズンは初めての日本で始まることになりました。名古屋のNHK杯です。私はこの大会を観に行っていました(^-^)

 

宝石ブルーNHK Trophy2010 SP「Primavera Poeteno」byアストル・ピアソラ

https://www.youtube.com/watch?v=kEMVYgNS944 

 

試合で初披露ということもあって、ミスもありましたがバンクーバーを見て感じたことは、生で観てみてよりその才能の片鱗を強く感じ取れました。本当に音楽の捉え方がとても上手なスケーターです。この曲は高橋大輔選手や田中刑事選手、坂本花織選手の名演ですっかりフィギュアスケートファンにはお馴染み。特に高橋選手はこのシーズンのFSですし、このNHK杯にも出場(優勝)しています。

 

NHK杯のFSも素晴らしかったのですが、特に年末(2010年12月)の全日本選手権(長野)の熱演が記憶に残っている方は多いのではないでしょうか。直前に出場したGPFはアクシデントもあり、本来の実力が発揮できないまま迎えた大会でした。SP4位に追い込まれた最中で気迫のこもった素晴らしい演技を見せ、この日一番の拍手とスタンディングオベーションで迎えられました。結果は3位(FS2位)となり、世界選手権(当初は東京でしたが東日本大震災の影響でモスクワに代替)への切符を勝ち取ったのでした。

 

こちらをついでにお借りしますm(._.)m

 

宝石白高橋大輔 全日本選手権2010FS「ブエノスアイレスの四季」

https://www.youtube.com/watch?v=dmKBrhMvEdw

 

話をデニスに戻すと、初出場のNHK杯ではSPでは6位のスタートだったのですがFSではミスが目立って順位を落としてしまい、彼にとってはほろ苦い初来日となってしまいました。ですがFSは素晴らしい作品になっています。このシーズン(は4試合の出場)は第7回アジア冬季競技大会以外(優勝)以外は、あまりいい結果は残せない苦しいシーズンとなってしまいました。それでも、その時の演技は素晴らしかったのでSPとFS両方の演技をご紹介します。母国カザフスタンの首都であるアスタナで開催された大会でした。

 

宝石ブルー第7回アジア冬季競技大会SP「ブエノスアイレスの春」

https://www.youtube.com/watch?v=wWtk3dz8HVI

 

宝石赤第7回アジア冬季競技大会FS「死の舞踏」byフランツ・リスト

https://www.youtube.com/watch?v=DeEhla7-6Do

 

ソチ五輪シーズン(2013-2014)のSPでは、カミーユ・サンサーンスの同名の作品で演じることになります。その表現の仕分けも見事でした。こちらの演技はStory④でご紹介します。そして、これは2010-2011シーズンのEXです。彼の故郷の街アルマトイでのショーでしょうか。

ジョシュ・グローバンによるニュー・シネマ・パラダイスです。あと翌シーズンに持ち越すPer Teも彼のボーカルです。

 

宝石紫Cinema Paradiso by Josh Groban (Almaty,17.06.2011)

https://www.youtube.com/watch?v=r0yt6wk_17c

 

そして2011-2012シーズンは再び、世界ジュニア(4位)など、またも8試合に出場して大忙しのシーズンでした。それでもニースの世界選手権では初出場だった2009年の8位を上回る7位に入賞し、手応えをつかんでシーズンを終えます。

 

ブーケ2World Championships2012 SP「エレジー」byセルゲイ・ラフマニノフ

https://www.youtube.com/watch?v=ARieduEC_no

 

コンビネーションでバランスを崩す場面はありましたが、3Aと3Fは綺麗に決めて、あとは美しいスケーティングとスピンで纏め上げます。この曲は他にもパトリック・チャンが2012-2014の2シーズンのSPで、浅田真央も昨年のTHE ICEで見事な演技を披露していました。ラフマニノフが1892年に完成させたピアノ独奏曲集「幻想的小品集」の第一曲で「悲歌」(エレジー)と題されています。

 

ブーケ2「幻想的小品集」 変ホ短調作品3-1「悲歌」byセルゲイ・ラフマニノフ

https://www.youtube.com/watch?v=ARieduEC_no

 

ちなみに「幻想的小品集」の第二曲が浅田真央がバンクーバー五輪で鮮烈な印象を与えたFSで使われた曲のピアノ曲です。この作品に関しては私のブログで1年ほど前に触れておりますので、ご参考にして戴けると幸いですm(._.)m

https://ameblo.jp/61302/entry-12289904346.html

 

ブーケ1World Championships2012 FS「アディオス・ノニーノ」byアストル・ピアソラ

https://www.youtube.com/watch?v=eti-mKn1-N4

 

スタートの4回転(トウループ)を綺麗に決めます。3Aこそ単独のミスはありましたが、あとはほぼ完璧に演じきりました。中盤でセカンド(ジャンプ)に3Sを織り込むコンビネーションで沸かせたり、随所にオリジナリティーも感じられた素晴らしい演技でした。当時17歳にして相変わらず見事な表現力。当時のPBを大きく更新し、次シーズンの飛躍を予感させましたヽ(´▽`)/

 

「ノニーノ」は父親ビセンテの愛称。1959年にプエルトリコに巡業中に故郷で亡くなった父に捧げた曲です。当時の彼は故郷に帰る旅費がなく当時拠点としていたニューヨークで、失意の中で作曲したと言われていますバラ

 

他にもこの曲は、今や振付師としても大活躍のジェフリー・バトルの名演が思い浮かびます。彼は2006-2008の2シーズンのSPでした。

 

この2シーズン、何度も躓きながらも「大輪の花」が咲く時は確実に近づいていました。次回はいよいよ世界のトップスケーターに駆け上がるシーズンを迎える彼の名演の数々をお届けします。今回も長々とお読み下さり、ありがとうございましたm(._.)m

 

キラキラおまけ