僕はあなたの詩集を読んで心が震えるのを感じた、
「きれいはきたなくきたないはきれい」
私の眠ったあとの闇のなかでこんなさみしい童話がきこえてくるのだ
電球さん
電球さん
あなたは土のなかでも灯るの？
電球さん
電球さん
電球さん誰があなたを殺したの？
電球さん
二十五歳で妊娠して人形を産む
四十九歳で再婚するも生まれる子は人形ばかり
出口はいっぱいあるのにいつでも入り口はたった一つしかない
ぼくに
さよならを下さい
そうしたらボール箱へつめて
紙ひもでくくって
ハドソン川へ捨ててきてあげよう
誰がぼくを思い出してくれるだろう
中学校の同窓会に行こうとして床屋で散髪し 古着屋で背広を買いながら靴がないために行くことをあきらめた 第一六期卒業生 対人赤面恐怖のぼくを
誰がぼくを思い出してくれるだろう
友だちもなく
過去の政治化に失敗し
トルコ風呂では直前になっていや気がさし 悪魔に向かって叫ぼうとしてへどを吐いてしまったぼくを
世界が眠ると言葉が目をさます
ぜんぶあなたが創造した言葉だ
最後に
あなたの名前を消してください
二人が同じ場所で出会うために