BOOK「奇跡の脳」脳化学者の脳が壊れたとき 著者:ジル・ボルト・テイラー
訳:竹内 薫
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ここであなたの本来の能力が、(意識があるのに)系統的にむしりとられていくのがどんな感じがするか、想像してみましょう。
まず第一に、耳を通って入ってくる音を理解する能力を失うと想像しましょう。
耳が聞こえないわけではありません。あなたはただ、あらゆる音を無秩序な雑音として聞いてしまうのです。
第二に、目の前にあるなにかの物体の、もともとの形を見る能力がなくなると想像してみましょう。目が目えないわけではありません。たんに、三次元的な拡がりを見ることができない、あるいは、色を識別できなくなるのです。動いている物体の軌跡をたどったり、物体の間のハッキリした境界を判別する能力を失ってしまいます。
さらに、これまではなんでもなかった匂いがとてもきつく感じられ、あなたは圧倒され、息をするのも辛くなります。
もはや、温度も振動も苦痛も、あるいはどこに手があって足があるのかすら知覚できなくなります。あなたのエネルギーの存在は広がって、まわりのエネルギーと混ざり合います。
そして自分自身を、宇宙と同じように大きいと感じるのです。
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その朝に学んだ最も大きな教訓は、リハビリテーションのりょうほうしの仕事がうまくいくかどうかは、、、
私が受け入れてのは、気持ちを理解してくれ、エネルギーを与えてくれる人々でした。彼らは、優しく親切にからだを触ってくれ、目を合わせて静かに話してくれました。積極的な治療には積極的には積極的に反応します。気持ちが通じない専門家たちはエネルギーを吸い取るだけ。
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しかし、彼は、優しくしっかりと触ってくれたので、安心出来ました。アンドリューは静かに話し、ちゃんと目を合わせ、必要なだけ繰り返してくれました。彼は、こんな状態にあっても、わたしを一人前の人間として丁寧に扱ってくれたのです。アンドリューは立派な医師になるだろうと思いました。
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感謝する態度は、肉体面と感情面の治療に大きな効果をもたらします。
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お見舞いにきてくれた人々が前向きなエネルギーを見せてくれることが大切なのです。
逆に、ものすごく心配なのよぉ、という負のエネルギーを発散しながら入ってくる人に対応するのは、とても辛い。
まゆを優しく上げて心を開き、愛をもたらしてください。
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自分の脳以外には、誰もわたしに何かを感じさせる力など持っていないことを悟ったのです。外界のいかなるものも、わたしの心の安らぎを取り去ることはできません。それは自分次第なのです。自分の人生に起きることを完全にコントロールすることはできないでしょう。でも、自分の体験をどうとらえるかは、自分だ決めるべきことなのです。
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◉15章 自分で手綱を握る
あなたのことはあなたの問題であり、わたしのことはわたしの問題。それでもあなたもわたしも、深い内なる安らぎを感じ、そして優しさを共有することができるのです。つねに、他人を許し、そして自分を許すことができるのです。この瞬間を完全な瞬間として見ることが、つねに可能なのです。
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◉16章細胞とさまざまな広がりをもった回路
冷静な第三者の目で脳の話を聞くためには、それなりの訓練と忍耐が必要になるでしょう。しかしいったん、そのことに気づいてしまえば、あなたは、物語作家が捏造するドラマやトラウマを自由に超えて行かれるようになるのです。
脳がどの認知のループを働かせているかに気づくようになれば、次に、そうしたループが体の中で生む生理的な感じに焦点を合わせます。
警戒しているの?目はまん丸になってる?呼吸は深い?浅い?胸は苦しい?頭はスッキリしてる?胃の調子は悪い?そわそわしたりさ、心配したりしてる?貧乏ゆすりしてる?恐怖や心配や怒りのループは、さまざまな刺激によって誘発されます。ですがたびたび誘発されると、それぞれの感情は予測されうる生理的な反応を示すため、意識的に観察することが可能になります。
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17章 深い心の安らぎを見つける
安らぎの感覚は、現在の瞬間に起こる何かです。それは過去を反映したものや、未来を投影するものではありません。内なる安らぎを体験するための第一歩は、まさに「いま、ここに」いる、という気になることです。
どんなに、深い心の安らぎのループが働いているかに気づくことができれば、その回路に意識的につなげることが容易になります。どんなときにこの回路が働いているのかわからず、悪戦苦闘している人もいるでしょう。その唯一の理由は、他の思考に心が向かっているせいです。これは、当然のことです。
なぜなら、西洋の社会は左脳の「する」(doing)機能を右脳の「ある」(being)機能よりずっと高く評価し、報酬を与えるものだから。
あなたが成長するあいだに「こうしなさい」と教えられたことを、実にうまく学んできたからに他なりません。
「悟りは、まなぶことではなくあ、学んだことを忘れること」だと 知りましょう。
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「今」「ここ」しかない、安らかな右脳マインドの意識と人格を思い起こすさまざまな方法を考える、あなたにも教えてあげたい。
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気分を(よいほう、または、悪い方へか)一転させるには、鼻を刺激するのが一番手っ取り早いかも。
嗅覚を利用して、自分を現在の瞬間に戻すのは簡単。よい香りを嗅いで、気持ちを高揚させましょう。
いい香りから悪臭まで10段階のレベルで記録しておきましょう。いろんな匂いの根底にある生理機能を感じ取るのを忘れずに。
気持ちのいい匂いで、
自分を「いま、ここに」移動させましょう。




