歳納めのシーズンなので、お客様へ暮れの挨拶回りなんかもやっているのだけれど。 その一方で新しいお客様も出来、初めて行った場所での珍事。

グンマーは全般的に普通に田舎だけど、それでも中心部と僻地では雲泥の差があって。職場が中心部寄りなので感覚が鈍っていたところ、今日行ったバリバリの僻地でシカと出くわした。

会社から3時間ほど車を飛ばして行った先は、なんとなく家はあるのに、車も走っていなければ人など全く見ない限界集落で。ナビが示すルートも「マ?」な あぜ道チックも多く、機器なんかより己の感を頼りに走ることに。
また山の岩陰になってる道などは微妙に凍っていたりしてなかなか神経をすり減らすことが多く、これはマズイと途中停車。気分転換をしようと外でタバコを吸い始めたら、シカが出た。向こう5m程度の岩陰から「ぬっ」つって顔を出し、ただこちらをジーっと見ていたんだ。何に戦慄したかって、頭の位置が俺より明らかデケエの。直感的に「これ負けるわ」と思いながらも、「いやもうちょいタバコ吸いてえわ」とか、「車に乗ってもアタックされたら転がるんじゃね?」とか、「ツノねえけどまさかのカモシカ?」とか、「いっそ奴に乗ってみるべき?」とか、無言のまま静かにパニックを起こしていた。

そのままどれくらいの時間が経ったのかも分からないが、結局「久保ユリカちゃんシカコってあだ名もあるから、シカはきっと大丈夫」という混乱を極めた理由が決め手となり、何事も無かったかのように車へライドオン。シカ方向にゆっくりと走り出し、ウンコ座りのヤンキー前を横切る心持ちでスーッとやり過ごしたのだった。

けっこう心臓をバクバクさせながらそれでも乗り切った間一髪感に妙な興奮を覚えていると、ふと目にした標識を二度見。シカの追っ手はない事を確認し、再び停車。思わず写メったのがコレ。
殺人の滝とは。なんか「さつうぜん」とかカナを振って濁しているものの、駄目な滝である事はビンビン伝わってくる。「ゆうても」って苦笑されるのを承知で書いているが、いやマジで人とか誰もいないとこでシカとエンカウントしてからコレ見てみ?心境としては「殺られるのでは‥(何かに)」とか思うって!多分今から会う第一村人は山村紅葉に違いないと確信するほどに、戦々恐々も甚だしいサスペンス感に包まれた。こんな感覚、人生42年目にして初めてだったわ。

帰り道にはシカ地帯も忘れるほど「殺人の滝」が気になってしまい、家に帰って調べたらほぼ新潟じゃんか。どおりで遠かったワケだ。しかも「さつうぜん」の意味はネットじゃ分からなかったし。
あそこもう行きたくねえな。行きたくはないが、行かなきゃならねえんだろうな。。

因みに保険屋なので分かっているが、もしシカにタックルを食らって車を凹まされても、それは自爆扱いで泣き寝入り確定。
またうっかり山村紅葉と出会ってショック死した場合、それは紅葉さんを驚かせた罪で賠償責任を負う可能性があります。