明日が締切のコピーコンテストがあるため、
本日、終電を乗り過ごしてしまっても、家に帰らなければならないため、
ちょっとでも最寄駅の近くまで行ける電車で帰ってきました。
シータク帰りを余儀なくされた俺は、一人でタクシーに乗るウキウキ感を
楽しみにしつつも、お財布の終電も気にしていました。
金曜の夜ってのは、野に放たれたサラリーマンのためにあるのかってくらい、
いろんな方が元気いっぱい星屑みたいにはしゃいでいました。
型にはまった、はしゃぎ方で。
んなことを横目にもせず今夜はリッチにシータクで帰宅。
年配の女性の方が運転手だったのですが、
この人は、すごかった。
型にはまらない、一言を言ってくれた。
仕事でくたびれていた俺は、家付近に着くまで車内では無言だったのですが、
いろんなことを考えていました。
深夜の割増…あっ、また数字が上がってる…。
これじゃ、来月のお小遣いが減ってしまうよぉ…。
あれ、この道って、遠回りしているんじゃないか…。
でも暗くてよくわからないや…。
かなり年配の方でも、深夜に働いてるんだなぁ…。
ずっと運転していて腰は痛くならないのかなぁ…。
ん、どうしたんだ、隣のタクシーに微笑んでる…。
さては仲間だな…。
俺も笑ってやるぜ…。
どんなツラしてやがんだ…。
ちっ、スモークで俺の顔が映ったぜ…。
おぃっ、俺の家はそろそろそっち、そっちだよ…。
あっ、そこは左、左、左…左だよぅ…。
ふ~ぅ、なんだ…言わなくてもやればできるじゃないか…。
さぁて…次は右と左、どっちかな…。
よ~し、そうだ、右だ…。
ど~してわかった…。
さてはこの運転手、俺のココロを読み切っているのか…。
まっ…まさか…そんなことは…。
この俺が…。
SE:吐血
そうして家付近に到着した。
身も心もボロボロになりながら支払を済ませた後、ヤツは俺にこう言った。
「タクシーって、お小遣いが減っちゃうね」
俺は、車内に星のような微笑みを置いてきた。
~あとがき~
お疲れ様ですとか、
ご利用ありがとうございましたとか、
お気をつけてだとかを言われるより俺は、
「あなたの胸中をお察ししてますよ」の一言のほうが、
なんだか嬉しかった。
家に着くまでのメーターの上がってくスピードに対して
お財布の不安も上がる。
その俺のビクビクしている気持ちを、
「ひとりで怖がらないで、私は知ってるよ」的な一言で、
胸の不安がフッと消してくれる。
サービス業の、気づきを見せていただきました。
その方は俺を降ろすと、すぐさまブロロロロ~と夜の闇に消えていきましたが、
ふたつ目の赤信号で、急停止していました。
さては、バックミラーに俺の微笑みが映ったな…。