まあ、何にしても古泉の開いてくれたこの企画

しっかりと楽しまなきゃいけないわね

と癖のようにいつも笑っている古泉の顔を見ていたら

だんだんと眠くなってきてしまった

悪いけど一応いっておくと

古泉の顔を見ていて安心したとか、癒されたとかじゃないわよ

あの~、あれよ

そうだ、あの一定のリズムでゆれる電車のリズムと窓から入ってくる太陽光

おまけに車内は程よい暖かさだったということ


















たしかに古泉の顔を見ていたというのが最後の記憶だけど

「よし、上がり」

大きな声に起こされ

目をこすりながら顔を向けるとハルヒコと朝比奈さんと古泉がトランプをしていた

どうやらハルヒコがトップであがったらしい


それにしても他に誰も電車に乗ってないとはいえ

もう少し静かにしたほうがいいんじゃないの

車掌とかが注意に来るんじゃない

と心配そうな顔をしていると古泉がこちらをみてウインクしていた


どうやら何を考えているのかがわかったらしい

それについての返答がウインクだというのなら

どうやらこの電車にもあいつの組織の息がかかっているのだと思う


もう一眠りしようと視線を前に向けると目の前には長門が本を読みながら座っていた

いつもの制服ではなく白いワイシャツにジーパンという清潔感あふれる服装だった

「あら、どうしたの長門、その服似合ってるわよ」

というとハルヒコのほうを向き

また本へと視線を戻した

「そう、ハルヒコに着せられてるんだぁ」

GJと思う反面、はぁ~とため息を吐いてしまった


「まあ、たまにはそういう服もいいわね、似合ってるわよ」

と心のそこから褒めると本から視線を上げじっとこちらを向いてまた視線を本へと戻した

どうやら褒められてうれしかったようね

知り合って4ヶ月あまりだけど

こいつの表情を読み取ることにかけては私の右に出るものはいないと自負するようになった




長門との二人の空間はとても静かでハルヒコたちが隣ではしゃいでいるなんて言うのがウソのようだった



本を読む長門を眺めているとまた少しずつ眠くなってきた





うっつらうっつらしていると長門がこちらに一瞬視線を向けて笑ったように見えた



実際、眠りに入っていたんだけど


本当に笑ったのか



夢の中の私の想像なのかはわからないけど



その少しだけ変化した表情は多分忘れることはないと思う



できればもう少し笑ってくれればいいんだけどね



まあ、それもしょうがないか


そういうのがいいということもあるんだから………













目が覚めるとそこにはカメラを持ったハルヒコが構えていた




「おい、キョン子

いつまで寝てるつもりだ、もう海は目の前だぞ

それなのに一人で二時間近く寝るなんてどういうことだ



まあ、でも残念だな

俺たちはお前が寝てる2時間のあいだずっと楽しんでたんだからな

お前よりがは2時間分人生で得してるんだよ」



「ああ、そう、それは残念なことをしたわね

 その代わり、睡眠時間は2時間分得をしたわよ」



「何を生意気なこと言ってるんだ

元はといえばお前が夏休みの宿題をまだ終わらせてなかったのが原因だろ

自業自得だ」




そう、先日の古泉の誘いを受けたとき

まだ夏休みの宿題をやってないのは自分だけという事実が発覚して

団長命令で今日までに終わらせないと死刑ということで夜中までかかって仕上げたというわけ




「まあ、そういわないでよ

とりあえずは全部終わらせたんだから

今日は楽しも」



「な、なんだよさっきまで寝てたくせに



ま、まあいいか


この夏最後の思い出だ



思いっきり楽しむぞ、キョン子」



「ええ、そうね


今日はしっかり楽しもう、ハルヒコ」



とおそらく古泉のような笑顔で微笑んでいたと思う



ハルヒコはというとこっちを見ずに急に他の車両に去っていってしまった


続く