実行委員室を後にしたのはいいが

この後の予定は何も決まってない

実行委員室に残ったほうが良かったと

若干後悔したが

廊下の真ん中でずっと立っててもしょうがない

「しょうがない、いつもの場所に戻るか」

と独り言を言って校舎から出て行くと

懐かしい顔とすれ違った

「あれ、木葉?

何しに来たんだ?」

元同級生にして元学祭実行委員

そして卒業生のはずの木葉が大学に来る理由がさっぱりわからなかった

「ああ、忍か

今日は仕事が休みだから…」

といいながら両手に持っていたコンビニの袋を掲げて見せた

「もしかしてリコちゃんに使われてる?」

あきれてしまうが

こいつは押しに滅法弱いのだ

「うん、今日は新しく人が入るらしいからね

その歓迎会ようの買出しを頼まれちゃって」

どこまでやさしいんだ、こいつは

とかつての同級生に同情しながら

自分も年下には滅法弱いことを思い出して

ため息をついてしまった

「おまえ、本当に妹に弱いな」

二期前の大学祭実行委員長にして

大学のほとんどの授業に顔を出してそれが全部A判定

人望も滅茶苦茶厚いのに唯一の弱点が妹のリコちゃんだ

「ははは、苦労してるよ

忍も里伽子には頭が上がらないんだろ?

同じ穴のムジナだよ」

ぐうの音も出ない反撃だった


「ところで忍はもう帰るの?

一緒に実行委員室に行こうよ」

重たそうな荷物を持ってる木葉を見てると

いたたまれなくなり

一緒にもどるのも悪くはないという感じになった

「わかったよ、お前も少しぐらいなら遅れてもダイジョブだろ

付き合え」

といってさっきの俺のタバコ基地に連れて行った





「懐かしいな、まだここに来てたの?」

木葉は俺のいつもの場所に来ると

あたりを見回しながら俺の向かい側に座った

「俺がここに来なかったことなんか去年の6月だけだ」

タバコに火をつけながら一服を開始した

「美佐ちゃんとのことだよね?」

木葉は心配そうな顔で俺の表情を伺ってた

「そうだな」

そういってタバコの煙をいっぱいまで肺に吸い込んで

苦い思い出と一緒に飲み込んだ

少し湿っぽい空気になりそうになったとき

木葉の携帯から音楽が流れ始めた


「あっ、ちょっと待って」

そういいながら携帯のディスプレーを見ると

あわただしく携帯を打ち始めた

「里伽子からメールだ

そろそろ行かなきゃ

怒られたら忍のせいだからね

責任とって怒られてよ」

そういって二人で実行委員室に戻っていった。








続く