あなたの人生で今まで受けた「とばっちり」で一番大きかったモノはどんなことでしたか?
大抵の「とばっちり」は途中で誤解が解けて、大事に至らないモノが多い気がしますが…稀に、池の中に投げ込まれた石の波紋が、複雑な絡み合いで大きなうねりになり
取り返しの付かない「濡れ衣」に繋がることもあったりするのです。
怪文書を書いた張本人たちは、自分たちの待遇を少しでも良くしたいとか、組織はこうあって欲しい…とか純粋な欲求に突き動かされ投書したのでしょうが…指摘された経営側は、そう単純には捉えません。
まず、誰がどういう意図でそのような訴えをしたのか?それによって得するのは誰なのか?文書の中に書かれている社外秘の情報が何処から漏れたのか?などの諸々の要素から絞り込みを行い、「犯人」を特定する。
とても自然な流れではありますが、検証を一歩間違うと「濡れ衣」=「冤罪」に繋がる危険性があります。
今回の私は、まさにその最悪のケースに嵌まり、その蟻地獄から抜け出すことが出来ませんでした。
80代半ばになっても後継にバトンを渡すことも出来ず、歳を重ねるごとに被害妄想と孤独感に苛まれ、身内以外は信用できなくなっていた社長から見れば、私を専務に推挙する怪文書は、出世欲に目がくらんだ私が書いたに違いない…と思い込むには十分な内容だったのでしょう。また、上層部の会議の内容が一部盛り込まれていたのも
私を疑う決定的な理由になったのかもしれません。実際、書かれていた内容は誤りが多く、その場に臨んでいなかった者が聞きかじりで書いたとすぐ判断できるような内容でしたが、会議の出席者のうちの誰かが書いたに違いないと思い込まれ、私以外は身内しか参加していなかったメンバー的な状況も不利に働いたのでしょう。
リーマンショック以降~赤字が続き、累積の借金・負債が◎◎億円以上にも膨らみ、不渡りを出す寸前のどんぶり勘定でヤリクリ経営をしているような財務状態で、役員になりたいと手を挙げる「お馬鹿さん」が一体どこにいるのでしょうか?また、デタラメな聞きかじったような会議の内容を、よく吟味もせず会議参加者の中に絶対に「犯人」がいるという決めつけ…
「冤罪」とは、こういう流れで作られるのだなと身をもって知った次第です。
同族経営でも一番最悪のパターンは、トップがこうだと言い張り出すと、誰もその暴走を止められないという情けなさ。命を削るがごとく、どれだけ会社に尽くしてきて、二代目の尻拭いをしてきたかという私ですら、結局は最後は赤の他人…気に食わなければ公開処刑の見せしめ。どこぞの独裁国家と構図は同じなんですね。
この出来ごと以降、私は「退職強要」と「嫌がらせ」の渦の奥底まで引きずり込まれて行くのでした……
続きは、また次回に。