
とても立派な柚子を頂いた。
ジャムにしようか、柚子ピールを作ろうか…考えていたところ「ゆず味噌がいいよ」と助言がある。
出来上がったものを、おすそわけする癖が私にはあるのだが、助言者は甘党で、少し苦みのあるジャムよりも違うものにトライして欲しかったのだろう。
彼女の母上が作るゆず味噌は、絶品であったらしい。
しかし、当の私はゆず味噌を作った事がない。
ネットでいくつかレシピを見て、作りやすそうなものをピックアップ。
ゆず味噌づくりにトライした。
150グラムの白味噌に、大さじ2杯の砂糖と大さじ3杯のみりん。柚子は1個。種を除いた果汁と果皮をおろして用いる。
最初に作ったゆず味噌は、弱火で加熱しながら練るのだが、なかなか滑らかにならず、香りは素晴らしく匂い立つのだが、あれよあれよという間に、飴の様な状態になってしまった。
戦国時代の武将であれば、粒状にして携帯し、カロリーや塩分を補給するのにぴったりだ。
しかし、現代の一般的日本人が、大根や里芋の煮物にかけて食べるには固すぎる。
水分が抜けている為、味わいは濃厚。
食する分には、十分美味しいのだ。
しかし…
件の助言者が「AIに調べて貰ったら、少し異なる方法を示してくれる」と言う。
そこで、初めて確信的にAIの助けを借りることにした。
AIの提示する手順は、私がチョイスした料理レシピとは若干異なるものであった。
AIは、私が参照したレシピの何十倍ものレシピを閲覧し、再構築して提示しているのだろう。
使用する調味料に酒が加わり、果汁を加えるタイミングや手順も異なるものであった。
AIの情報を基に、再度、ゆず味噌づくりに挑む。
ヒヤヒヤしながら作業を進めたが、結果、滑らかなゆず味噌が出来上がった。
思わぬところでAIの力を認識することになった。