TODAY'S
 
アラカンからの歯科矯正そもそも


2022 3 15




 矯正歯科の門を叩くまで


『歯列不正』という言葉と出会ったのは半世紀前の小学生の頃だった


学校の歯科検診の結果の欄に書いてあった言葉


当時 歯医者さんは痛くなったら行くところ


『シレツフセイ』に対して昭和一桁世代の親の意識も高くなく

まだまださしたる不自由もなく ほったらかしたまま時は過ぎた


歯と歯の間を覆うように生えていた八重歯は徐々に存在感を増していくのだが

歯間に歯ブラシが入らないほど困った状態になったのは

仕事の責任がとっても重くなってきた忙しい40代後半になってからだった


ちょうどその頃、友達に「どうして矯正しなかったの?」と言われたことも衝撃で

あまり気にしていなかった歯並びを猛然と気にするようになった


もうこの八重歯抜きたい!と切実に思い 通っていた歯医者さんに頼むと

「矯正歯科紹介しようか」と言われる


当然、歯科矯正について調べ始めると

抜いて欲しい八重歯は抜かず

その横の歯を上下左右4本抜歯すると書いてあるではないか!


そして ワイヤーの痛さや口内炎多発等々のネガティブな情報の数々


忙しい生活の中で身を削りながら仕事と主婦業をしていた当時の私

「ゼッタイムリ」

そして 邪魔になっている八重歯を抜いてもらい

前歯のガタガタをきれいにできるという

「セラミック矯正」をしてくれるよう通っていた歯医者さんに頼んだ


大きな八重歯はあっけなく抜けた

抜いた八重歯の左右の歯は細く細く削られ神経を抜かれその上にセラミックがかぶせられた

仮歯の間 食べ物が当たると びっくりするほど痛くて 

さらに前歯のガタガタを治すセラミック矯正は断念した


健康な歯を2本も神経を抜いたり削ったりするとは思わなかったし

口元は八重歯がなくなったことで膨らみがなくなり貧相になり ゆがんだ


ただ八重歯がなくなった場所の歯磨きはとてもしやすくなった

矯正を勧めるかかりつけの歯医者さんに自分がお願いしてしてもらったことで

その時はそうするしかなかったと思う

10年ほどは割と快適に過ごすことができた


しかし あれ? 歯並びが どんどん悪くなってきてる?

と感じるようになった

内側に倒れてきているような 前歯が捻じれてきたような


歯並びが悪いので 歯磨きは いつも30分はかかる

かかりつけ歯医者さんでのメンテナンス時には

歯並びが悪いところに歯石が溜まっているから歯磨き気をつけてと言われる

この頃は 歯周病も指摘される


かかりつけ歯医者さんの衛生士さんに

『矯正した方がいいですかね?』と尋ねてみた

「いやいや 歯磨きを頑張って」


その時点で退職の時期だった

今まで やりたくてもできなかったことに挑戦してみよう

この歳では もう遅いかな?

無駄かな?

難しいかな?

自分の歯並びと歯の状態では

大変すぎるかな?

無理かな?


そこを 思い切って すごく 勇気を出して ドキドキしながら

1軒目の矯正専門歯科への無料相談電話予約をしたのだった


結果は

「奥歯の噛み合わせは悪くないから 矯正しなくてもいいと思いますよ」

「矯正したからと言って 歯の悩みが解決するわけではありません」


自分のシミュレーションの画像にはネット上でさんざん見た「ブラックトライアングル」がドーンと並んでいた

やんわり断られたみたいで

『やっぱり 60からの矯正は 進められないのかな』と思ったのだった