歓楽通り
監督:パトリス・ルコント
出演:パトリック・ティムシット、レティシア・カスタ、ヴァンサン・エルバズ
製作年度: 2002年
娼婦とお客の間の過ちで、この世に生を受けてしまったプチ=ルイ。
彼は娼婦の館「オリエンタル・パレス」で生まれ育ち、幼いころから娼婦の世話をすることに
明け暮れます。
そんな彼の夢は「運命の女性に出会って、彼女を自分の一生をかけて幸せにすること」。
そして彼は、運命の女性マリオンに出会い、その言葉どおり彼の全身全霊をかけて、
マリオンの幸せを実現させていこうとする・・・。というお話。
このルコント監督の描く「愛」には、いつも考えさせられます。
彼の描き出す愛は、いつも究極の愛。愛の本質とはこうなんじゃないか。と思うほど、
無駄なものが削がれた愛が、鋭く、そして重く映し出されています。
このプチ=ルイの愛は、一言で言うと「純愛」かなぁ。
仕立て屋の恋
のイールを彷彿させます。
プチ=ルイは、ただひたすら、マリオンの幸せを祈りわが身をささげます。
一緒にマリオンの「幸せになるリスト」をつくり、そこにリストアップされた
彼女の夢をかなえるべく奔走します。
本人よりも熱心に。自分の愛を殺してまで、彼女を笑顔にできる男を探し回ります。
いや。彼は自分の愛を殺したのだろうか?
人を愛するってどういうこと?人に愛情を持つってどういうこと?
相手の幸せを心から願うこと?
なんか少し違う気もする。それだけでは足りないというか。
大切な人の幸せはもちろん願う。無条件に願う。
難しいのは、そうすることで起こる、自分自身の中の矛盾をどう処理するのか。
やっぱり願うだけだと、何かが足りない気がする。
そういう意味で、このプチ=ルイは究極の愛を行ってるのかも。
なぜなら彼にとっては「彼女の幸せ=自分の幸せ」だから。
例えそれが、自分以外の男性と結婚することであっても。
どうすれば、彼のような愛にたどり着くことができるんだろう。
プチ=ルイは、どうしてそこにたどり着いただろう。
そもそも、彼女の愛を感じることが彼の幸せではなく、
彼女が幸せになることが、彼の幸せだったから。なのかな・・・。
でもなんか違うな・・・。
愛って、やっぱり、お互いの気持ちをも感じ合うことも、とても大切な要素だと思う。
それがあってこその、相手の幸せ=自分の幸せなんだと思う。
でもやっぱり、そのベースには、相手の幸せを願う気持ちと思いやりがないとダメだよな。
たまたまプチ=ルイは、そのかたっぽだけで幸せを感じられる人だったんだろうな・・・。
う~ん、この監督の作品は見るだけでいろんなことを考えさせられます。
あ、作品的には結構おもしろかったですよ。というか、芸術的だったというか。
見ている最中も終わったあとも、もやもや感はあるかもしれませんが(笑)、
哀しい純愛を感じたい人にオススメです。
