冷静になったらね
冷静になんてなってしまったら、もうね、なんのメリットもないんだよ。わたしと結婚しても。
16歳も離れてて
子どもがいて
家事も仕事もあんまり出来なくて
お金がある訳でもなくて
子どもを産むには高齢で
そんな風に条件で照らし合わせることをしちゃったら
しちゃったなら、なにも、良いことなんてないと思うよ、確かに。
だから、そういう条件や状況を吹っ飛ばしてしまう純粋さが、ただただ眩しかったの。それがわたしにとって光だった。
けれど、1度冷静になって、色々考えたいと申し出た彼の話を聞いたら
結婚願望もそれに向けて努力することも、もう
どうでも良くなってしまった。
わたしに努力して欲しいと彼は言ったけど
そんな風に条件で合わない部分を努力して少し補ってみても
1度冷静になったら、どんどん冷静になって、
将来とか考え出したら、絶対的に割が合わない相手だっていうのが分かりきっているんだ。
わたしを守るよと言ってくれたけれど
あの子のことを守ってほしいの
わたしを支えたいと言ってくれたけれど
誰よりもいい父親になりたいと言ってくれたけど
その言葉に心を決めてプロポーズを受けた自分こそ、馬鹿なんじゃないかって、思えてきて。
惨めな気持ちになるんだ。
だから少し距離を置いてるの。
あの子のことを守ってくれるって
信じた自分がとても滑稽で
今はもう
なにもない。
涙は無色で味もない。
かなしいわけでもない
でも虚しいよ。
ただむなしい。