南房総市千倉は暖かい安房の国。

延喜式内・郷社の格式をもち、磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)という料理の祖神を祀る神社にまいりました。

高家神社(たかべじんじゃ)といいます。

 

東国を平定した大和武尊(やまとたける)の死後、父である景行天皇はその事績を偲んで安房に行幸されました。

 

そのさい、侍臣の磐鹿六雁命がカツオを釣ってハマグリを採り、料理をさしあげたところ天皇がいたく喜び、膳大伴部(かしわでのおおともべ)を賜って宮中の食事を司る身となったのが由緒です。

 

磐鹿六雁命は、いまでいう漬物、味噌・醤油、塩辛など日本料理の基礎をつくったわけです。

社殿の屋根が茅葺きというところが、ぐっときますね。

 

神祇管領 卜部朝臣良長(うらべのあそんよしなが)が文政2(1817)年に揮毫した御神号額が、拝殿の中にあります。

 

境内には包丁塚があります。

毎月17日の包丁供養祭には、調理師の人たちなどが訪れるそうです。

 

流麗な墨書の御朱印をいただきました。

 

料理は、命の綱であると同時に、ときにひとの心を動かすことができますよね。

当社で行わる伝統儀式「包丁式」の図柄の「料理上達御守」を身につけると、台所に立ちたくなりますね。

 

御祭神・高倍神(磐鹿六雁命)の御名をいただく特別限定醸造の醤油も頒布されていました。

「高倍(たかべ)」は、醸造蔵にこちらの分神を祀っている銚子のヒゲタ醤油で年に一度醸造されています。

色、香り、味・・・これは醤油のひとつの極みだと思い、感動しました。

 

千倉の海は、美しいかぎりです。

おいしい料理ときれいな景色は、人生を豊かにするというものですよね。