紀元二千六百一年(!)に男爵・平沼騏一郎の揮毫した社号標。
平沼氏は1939年に首相を務めましたが、このときは辞任後だと思います。

 
渋谷最古の社。
創祀がひじょーに古く、つまびらかでないのです。

 
相撲場が参道脇にあるのだけれど、ここは江戸時代からの由緒ある東京の相撲場。「渋谷の相撲」「金王の相撲」といわれ、近郷近在、江戸表からも見物人が多く集まりました。ある年凶年のため休んだところ、集まった人々によって勝手に大相撲になったこともあるほど。将軍様でさえ「渋谷の相撲なら見に行こう」といわれた。いまでも神事の一つになっています。

 
渋谷といってもうっそうと生い茂る杉や松で昼なお暗く神さびたあじわいです。
神様いらっしゃいますね。

 
紀元二千六百年記念に奉納された狛犬です。
1940年(昭和15年)のことですわ。

 
阿吽の立ち位置が左右逆なのよ。仙台みたいな。

 
脇参道の狛犬は阿形が右で吽形が左。

 
青山の石工・中村勝五郎が明治二十九年に彫ったものです。
むかしは青山にも石工さんがいたんだねえ。いい仕事してたんだねえ。

 
境内社として、秋葉神社、八幡神社、厳島神社、稲荷神社があります。

 
御祭神は、素盞嗚尊、稲田姫命、大己貴尊、天照皇大神。
境内のすぐ隣が國學院大学。学生さんが境内を通って通学する姿がひっきりなしに見受けられます。昭和13年に造営された社殿は、同20年5月25日の空襲にも被災せず、今では都内有数の神社建築なのです。

 
旧下澁谷村・豐澤村の鎮守でありますが、区内の神社で最大の氏子地域をもち、江戸時代は畑と大名屋敷が多かったのですが、戦前は宮家の邸宅も多く、渋谷文教地区もあります。

 
「江戸名所図会」には、境内に神木の老松があり、常盤松といわれたそうです。
780年前に枯れてしまいましたが。

 
そんなすごい氷川神社の御朱印をいただきました。