社号標にあるように正式名は「天祖神社」ですが、上神明の天祖神社と区別するため下神明天祖神社と呼ばれます。旧下蛇窪村の鎮守。


創建年はつまびらかではありませんが、六代将軍家宣の時代にはすでにあったという記録があります。正保年間(1644~1647年)に蛇窪村が、上蛇窪村と下蛇窪村に分かれ、それぞれの鎮守が上神明天祖神社および下神明天祖神社となりました。


昭和7年(1932年)3月生まれの狛犬。この年、一帯は東京市に編入されることになり、そのさい「たしかに蛇窪は由緒と歴史のある地名だが、これから都会になるにあたっていかがなものか」と荏原町議会で発議され、地名が変更されました。


駅名も「蛇窪」が「戸越公園」に。「戸越」だった駅は、「下神明」になりました。


平成28年にできた手水舎。ぴっかぴかの新造ですな。


懐かしい手押しポンプ。ひょっとして災害対策用水も兼ねているのかしらん。


主祭神は、天照大神、応神天皇、天児屋根命。


鎮守の神社は、長い年月を超えてその地域の歴史を静かに積み重ねて記録し保存するだいじな聖域でもありますよね。


東京市編入にさいして、荏原町消防団消防組第五部が解散しますが、そうとう誇り高き一団だったらしく、巨大な狛犬を奉納しました。


体高1.4m、総高4mは、品川区内最大を誇ります。社号標の裏書にもその名を刻んでいましたから、そうとう有力な地域組織だったのでしょう。


境内社の稲荷神社です。



幹周り3.9mと、区内最大のカヤのご神木。


御朱印をいただきました。よいおまいりでした。