1937(昭和12)「国民精神総動員実施要綱」『都市問題』25(5),156.

運動の目標
 「挙国一致」「盡忠報国」の精神を鞏うし堅忍持久総ゆる困難を打開して所期の目的を貫徹すべき国民の決意を固め,之が為必要なる国民の実践の徹底を期す,実践事項は右の目標に基き日本精神の発揚による挙国一致の体現並に非常時財政経済に対する挙国的協力の実行を主として之を定め事態の推移並に地方の実状等を考慮して適当に按排す

実施期間
(一)本運動は情報委員会,内務省及文部省を計画主務庁とし各省総掛りにて実施に当る
(二)本運動の趣旨達成を図る為中央に有力なる外廓団体の結成を図る
(三)道府県に於ては地方長官を中心とし官民合同の地方実行委員会を組織する
(四)市町村に於ては市町村長中心となり各種団体等を総合的に総動員し更に部落町内又は職場を単位として実行に当る

実施方法
(一)内閣及各省は所管の事務及施設に関連して実行する
(二)広く内閣及各省関係団体に対し其の事業に関連して適当なる協力を求む
(三)道府県に於ては地方実行委員会と協力して具体的実施計画を樹立実行す
(四)市町村に於ては綜合的に各部落又は町内毎に実施計画を樹立して其の実行に努め各家庭に至る迄滲透する様努む
(五)諸会社銀行,工場,商店,等に於ては夫々実施計画を樹立し且実行する様協力を求む
(六)各種言論機関に対し協力を求む
(七)ラヂオの利用を図る
(八)文芸,音楽,演芸,映画等関係者の協力を求む