精霊たちーハガキ大ペン画  | ザーアートマンのブログ

ザーアートマンのブログ

ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

   ザーアートマンのブログ

 

絵の中の象徴

 

 

『キリストの磔刑』

ベルギー北部 アントウェルペン王立美術館

メッシーナ描く板絵の小品。

2日に亘って調べた予備知識を持って、中に入る。

 

「中央に青ざめたキリスト。その上には罪状書。

何と書いてあるでしょうか姫さん?」

「うんと、ユダヤの王と名のったとされて、裁かれたのよね。

思い出した『ナザレ人イエス ユダヤの王』!」

「そうだ、その頭文字が書かれている。

そして、左右に良き盗人と悪しき盗人が架けられている。」

「良き盗人と悪しき盗人?」

「わかるだろう、この二人がキリストに言った言葉」。

「『救世主なら救いな』といった盗人と『この人に罪はない

といった盗人の区別ね。

でも、盗まれた人にとっては良いも悪いもないいんじゃない。

二人とも悪い人よ。」

「これは、朝の景色だね。」

「どうして?」

「キリスの磔刑は、朝の9時から午後3時まで。

そして、最後の時、天候は一転して薄暗くなったよね。」

「そうよね、天空が変転する劇的なシーン!」

「キリストの十字架の下に、頭蓋骨が散らばっているよね。

ここはなんといったっけ。」

ゴルゴダの丘 頭蓋骨の丘ね。」

「一番手前の頭蓋骨の目から蛇が出てきているよね。

わかる?」

「うんと、蛇はイブを誘惑した悪魔よね。

そして、イエスは新しいアダムよね。」

「よく解釈できたね、その通りだ。

それともう一つ。中世ではこの丘は、アダムが葬られたところ

と信じられていたんだ。」

「ふ~ん、む十字架の下に2人の人がいるよね。

 一人は当然聖母マリヤさまよね。もう一人の男の人は誰なの?」

「この人は、イエスの遺体の引き取りを交渉したアリマタのヨセフ

他にも、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア。

そして使徒たち。」

「あれ、一番手前の蛇がいる骸骨の横にフクロウがいるよね。

ギリシア神話では アテネの聖鳥だったよね。」

「そうだったね、でもここの人たちはヘブライ民族だよ。

中世ではフクロウは夜の鳥で 愚かさと欺瞞の象徴を表している。

ユダヤ人を批判しているんだ!」

「そうなの、ユダヤ人はこのころから差別されていたんだね。」

「そうさ、ユダヤ人虐待は、ナチスドイツだけの問題じゃないんだ。

すでに原点はここにあったんだ、聖書の中に。

中世には、すでにユダヤ人居留区があって、ギルドにも加入する

ことができなかったんだ。そのため、キリスト教徒に禁じられていた

金貸で生きていくしかなかった。

ユダヤマネーはここから発するんだ。

そして、金持ちになって行く。その豊かさゆえヒトラーの恨みを買うんだ。

よくあるじゃない、何であんな奴らが金持ちなんだって。

 

 

今日一日 幸運でありますように

 

誤字脱字ご容赦ください。

 

2015.2掲載再考